一方、ハダシの親友・ビート板役の河合は「万理華ちゃんが『サマーフィルムにのって』に懸ける思いが、劇中のハダシの思いと同じようにすごく熱いものがあったので、私としてはハダシに引っ張ってもらって、最初3人(ハダシ、ブルーハワイ、ビート板)がまとまって、そこにみんなを引き入れていってっていう構図が、伊藤万理華が熱を持っていたから実現できたのかなとすごく思いました」と回顧。
さらに同じく親友・ブルーハワイ役の祷は「万理華ちゃんが、クランクイン前に私と河合さんと3人での関係性を作っていく中でも、距離感を詰める“土台”を作ってくれて。現場でも、ハダシであり、万理華でもありのような。作中ではハダシが引っ張って巻き込んでみんなで一つのものを作っていって、現場では伊藤万理華が役と作品に向き合って夢中になって、その気概というか…。言葉ではなくても立ち姿一つやせりふの声色だったりとかで感じました」とコメント。
続けて「初めて試写でこの映画を見た時、終わってから、言葉にしがたいんですけど、とにかく万理華に会わなきゃって気持ちになって。同じ回の試写では見ていなかったんですけど、どうしても会いたくなって、試写室を出て、駅に向かう中で万理華に電話して、『顔だけでいいから見せてほしい!』って(笑)。『握手したいから早く来て!』って連絡したら、駅で会ってくれて。握手しました(笑)」と興奮気味に明かす。
それを受け、伊藤は「はい。握手しました(笑)。こんなに褒められることはないからありがたい。そういうふうに皆さんに思っていただいてうれしいです。でも、私は自分が引っ張っていったという気持ちじゃなくて、みんなが押し上げてくれている感じ。ハダシに『行ってこい』ってしてくれるような。隣で走りながらも背中を支えてくれる感じがすごくしたので、皆さんがいなかったら成立していない、と思っています」と共演者に感謝を込めた。
最後に、伊藤は「この作品は学生の女の子が、みんながやったこともないことに挑戦して、映画作りに励む話ではあるんですけど、共通してあるのは“好き”とか“情熱”だと思っています。それって映画だけじゃなくてものづくりや、何かに専念することにつながる第一歩。初期衝動だと思っていて、この作品を見たことによってその気持ちを思い出したり、まだ一歩踏み出せていない人への励みになるとうれしいなと。ハダシが時代劇に影響されて映画を作ったように、この『サマーフィルムにのって』が何年後か、見てもらった人にとっての励みになるようなものに、未来につながる作品になっていると思うので、最後まで楽しんで見てください」と締めくくった。
◆取材・文・撮影=ブルータス海田
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