ガンバレルーヤは、吉本興業のお笑い養成所・NSC 入学がきっかけで結成されたコンビで、二人の地元は異なる。この番組の制作局、日本海テレビの本社がある鳥取県出身のまひるに対して、相方のよしこは愛知県豊田市の出身。山陰はあくまでまひるの地元だ。
昨年、島根県の山陰中央テレビ(TSK)で始まったローカル番組「かまいたちの掟」も同様の構図で、島根出身のかまいたち山内に対して、相方・濱家は大阪出身。「相方の出身地」という自分とはあまりゆかりがない場所でどのように振る舞うかはなかなか難しい。
2013年の朝ドラ「あまちゃん」で、ご当地アイドルが集められたGMT47での活動がうまくいかず、失意の中、地元の岩手県北三陸に帰省する主人公アキという回があった。そこでアキは同僚の沖縄出身アイドル喜屋武ちゃんと一緒に帰るのだが、当然北三陸の人々はアキが帰ってきたことに大喜びでチヤホヤ。喜屋武ちゃんはあまり構ってもらえず「沖縄なのに静かだな」「何言ってっかわかんねえ」みたいなことを言われる。
しかし、喜屋武ちゃんは「すごいねアキ。どこに行ってもアキ、アキ、アキって、こっちではほんとにアイドルだったんだね」とアキが大歓迎を受けていることを自分のことのように喜ぶ。そんな回であった。
相方に連れられて帰る地元というシチュエーションで求められる態度としては、多分これが正解なのだろう。
相方のそこでしか見せない素顔や、地元民しかわからないその場所の魅力、時にはその街の自虐ネタなどを「我がことのように楽しむ」。そういう態度が求められる。
一方、部外者すぎてもダメ、わざとらしく褒めすぎるのもダメ、自分の地元と比較して馬鹿にしすぎてもダメ(自虐は良くても他の地方民から言われると腹が立つパターン)、わざとらしいリアクションもダメと、NGな行動も多くやはり難しい。
しかし、そこは芸能界随一の仲良しで知られるガンバレルーヤ。故郷に錦を飾ったまひる以上に、よしこが山陰をしっかり楽しんでいる様子が見て取れるのが微笑ましい。地元スーパーでの買い出しでは、東京では見かけない食材に興味津々。まひるが久しく会えていない大親友とサプライズ遭遇の場面でも、号泣する二人以上に大号泣。
正しい。相方の地元番組での態度として実に正しい。この調子で行けば大丈夫。彼女も山陰で愛されることだろう。