柳楽優弥×有村架純が明かす、黒崎博監督から学んだこと 「本当に物語の中で生きることができた」

2021/08/07 06:15 配信

映画 インタビュー

「黒崎さんから学ぶことがたくさんある」

有村架純×柳楽優弥撮影=玉井美世子/スタイリスト=長瀬哲朗(UM)(柳楽)、瀬川結美子(有村)/ヘア&メーク=佐鳥麻子(柳楽)、尾曲いずみ(STORM)(有村)

――本作の撮影を通して、役者として新たに気付いたことや黒崎博監督からかけられた言葉で印象的なものがあったら教えてください。

柳楽:学ぶことがたくさんありすぎて…。まずこの史実を背景にした物語に生きる人を演じているという時点で、歴史を学んでいけるんですけど。事前に調べきれないこともたくさんあるので、撮影を通して気付かされることや新しく知ることが多かったです。キャラクターとして作品に参加しやすい環境も作ってくださったので、本当に物語の中で生きることができました。僕たちは実際には戦争を経験していないけど、その恐怖をリアルに感じましたね。

有村:私は「ひよっこ」(2017年NHK総合)でも黒崎さんとご一緒していて、リスペクトも信頼もしています。この作品で再びご一緒して、改めて黒崎さんの誠実さというのが、味として作品に反映されているなと感じました。作品のことを本当に誰よりも考えている方だから、役者たちも信じて付いていける現場です。パッケージだとかインパクトだとか、そういう表面的なことではなくて、自分が作っていきたいモノは何かを常に考え、真摯に向き合っておられるので、その姿勢から自分を正されるというか。黒崎さんはしっかりと取材をされるなど、この作品に何年も携わられてきていて、これを映画化したいという熱い思いをお持ちでした。恥ずかしながら私は、この脚本を読むまで、日本が新型爆弾を作っていたという事実があることは知らなかったのですが、教科書でも習わなかったような部分を僕は作品にしたいんだという監督の熱量に、自分も何か出来たらいいなと思い、参加させていただきました。人間としても役者としても同じ作り手としても、黒崎さんから学ぶことはたくさんあります。

柳楽:僕は黒崎監督とは初めてご一緒したのですが、監督の熱量やエネルギーが、みんなに響き伝わっていき共鳴していくのを感じました。本当に信じて頼れる方だから、いてくださって心強かったです。そんな監督が、「研究者たちの生き様を映したいのはもちろんあるんだけど、ただそこにしっかり青春や日常があったんだよ。僕はそれを描きたい」とおっしゃっていたのが、すごく印象に残っていて。研究しているところだけではなくて、みんなにそれぞれの生活があって、日々を丁寧に過ごそうとしている、そんな彼らの強さや境遇に負けない気持ちにフォーカスを当てたいんだということを知って、撮影に臨めてよかったです。