NakamuraEmi「おばあちゃんになるまでずっと歌うんだっていうことははっきりと分かったんです」

2021/07/21 08:00 配信

音楽 インタビュー

アルバム『Momi』をリリースするNakamuraEmi撮影=大石隼土

ベストアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU 2』以来1 年5カ月ぶり、メジャー通算6枚目のアルバム『Momi』はとてもシンプルで、コロナ禍におけるNakamuraEmiの日常が透けて見えるような作品になっている。


「デビューして5年間、何かに追いかけられていたようながむしゃら感があったんですけど、去年ベストアルバムをリリースして一旦休ませてもらったことですごくほっとしたんです。コロナ禍で家にいる時間もすごく増えて、向き合うことがどんどん増えていったこともあって。

その出来事がアルバムに自然に反映された感じがします。今までも音数は割と少なかったんですけど、なおさらシンプルになりました。プロデューサーのカワムラ(ヒロシ)さん的にもすごく自然体に作って行ったアルバムで。生ドラムを入れなかったのも初めてですね。ゆっくり聴けるものっていうのが自分たちの心に合ってたんだなって思いました。

こういう音楽は今まで作れなかったんですけど、休んだことで肩の力が抜けて自然と作れるようになったんだと思います」

プロデューサー・カワムラヒロシのアレンジの手腕によって、これまで以上に楽曲が広がったという。中でも「投げキッス」は民族音楽調のコーラスやハードなギターソロが入ったフリーキーなトラックで、コロナ収束への願いが歌われている。

「今年初めて作った曲ですね。9年間の活動の枠から外れた新しいものを作りたくてこれまでと違う方向性の曲ができていて。

スタッフと何度も歌詞を組み合わせたりしながら作っていたので、完成した曲があまりなくて不安も募ってたんです。そういう中で年が明けてもコロナが終わらなくて。そういうどうなるか分からない状態でできた曲で、最初は賛美歌のようなイメージで作ったんです。

今まで日本にこだわっていたんですけど、世界中のことを歌ったのは初めてでしたね。みんなが辛いときなのに、SNSでのバッシングがまだ続いていて。こういうときだからこそみんなで支え合わなきゃいけないはずなのに、何でこんな悲しいことが起こってるんだろうって。

病気の友達がいてその病気が治るか治らないか分からなかったから、千羽鶴を折ろうという気持ちになったりする。そういう尊い気持ちしかもう救いはないのかなと思ってできた曲です。あと、配信ライブを何回かやったんのですが、MCで『医療従事者の方に感謝をこめて』とか言ってたんですけど、『でもそういう方はライブ見てられないよな…』って矛盾を感じていたんです。その気持ちも入っています」

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