外見も飾り気ない百音に対して、莉子はヘアメイクもファッションも垢抜けて華やか。民放の女子アナのよう。例えば「スッキリ」(日本テレビ系)の岩田絵里奈アナのような感じだろうか。
極上の笑顔をキープし声も張りのある高音で、見る人を元気にする莉子。癒やしの百音に対して元気な莉子を演じる今田美桜は福岡県出身。高校2年生のときにスカウトされて、地元で芸能活動をして人気を獲得し、東京へ活動拠点を移すと俳優としても活躍。
今年2021年4月期の連ドラ「恋はDeepに」(日本テレビ系)にもレギュラー出演していた。主人公(石原さとみ)が所属する海洋学の研究スタッフのひとりの役で、ここでも主人公のいい仲間の役だった。
昨年(2020年)放送された「親ばか青春白書」(日本テレビ系)でもヒロイン(永野芽郁)の大学の同級生で親友役。奥手気味のヒロインと比べて恋多き人物。主人公のお友達役でいい仕事をする俳優は芝居が達者というのが筆者の持論である。
主人公を立てつつ主人公を補う。出すぎず引っ込み過ぎず、ドラマを盛り立てる役割を担うにはセンスや技術が必要だからである。その点、今田は申し分ない。
ヒロインとして主人公を支える役割も担っている。日曜劇場「半沢直樹」(TBS系)シリーズのスピンオフで吉沢亮が主演した「半沢直樹スピンオフ企画 狙われた半沢直樹のパスワード」(2020年 TBS系)ではヒロイン役で、吉沢が演じた主人公と同じ会社の新人。半沢直樹の出向先、東京セントラル証券の新人として吉沢演じる主人公と共に奮闘する姿がいかにも希望に満ちた“次世代”でとても爽やかだった。
ハツラツとした役が多く、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(2019年、日本テレビ系)では、読者モデルもやっていて華のある生徒を演じていた。信念を持って自分を磨こうと努力している点において、この役が「おかえりモネ」の莉子には少し近いかもしれない。
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