真彩:公演を控えている「ジェイミー」についてもお伺いできればと思います。お稽古場の様子を映像で拝見しましたが、本当にお綺麗でした!
石川:ありがとうございます(笑)。ドラァグクイーンという役どころなのですが、つけまつげもヒールも生まれて初めてで!
ウィッグもかつら合わせの時はそんなにボリュームがなかったのに、「もっとボリュームつけます」って言われて、あのような形になりました(笑)。
真彩:ヒール姿もとってもお綺麗でした。
石川:はじめ6cmのヒールを履いた時、とても角度のある感覚だったんです。「初めて履いているようには見えませんね」と言われて気持ちよくなっちゃっていたんだけど(笑)。
(森崎ウィン、高橋颯演じる)ジェイミーの履いているヒールが15cmくらいで、僕も体感的には同じくらいだと思っていたから、制作の方に「僕そんなに高いヒールの必要ないじゃん!」と言ったら「すみません、あれ6cmです」って言われて(笑)。あの2人は本当にすごいなと思いました。
真彩:そんな事があったんですね(笑)!
真彩:今回、お話しさせていただくにあたり、これまでのインタビュー等を拝見しました。演劇科に進学されたり、文学座の研究所にいらっしゃったとのことですが、舞台俳優を目指そうと思ったのはいつからですか?
石川:実は舞台俳優を目指していたわけじゃないんですよ。元々は声優やりたかったの。
私が声優に目覚めたのは中学生のころ。その前から声を使うのがすごく好きだったんです。
小学校の時に放送委員会があると知って。上級生の声が朗々と校内に響き渡るわけですよ。「こういうのをやりたいな」って思って、小学校、中学校と放送委員会に所属したんです。
中3の学園祭の時、朗読の発表があって1クラスから1人ずつ選抜された合計10人のうち1人だけが朗読することができたの。そこが引き金でしたね。
誰かから褒められたという記憶はないんだけれど、ただただ朗読した時の自分に恍惚としたというか陶酔したというか。「楽しい!これがやりたい!」って思ったんです。
その頃に「宇宙戦艦ヤマト」っていうアニメが繰り返し再放送をされていたんだけど、「このアニメの声を出している人って誰なんだろう」って不思議に感じてて。それから、世の中が声優ブームになり、「声優になりたい!」って思ったんですよ。
また、僕が中3の時に劇団四季のファンだった姉が劇団四季の「カッコーの巣の上で」を観に連れて行ってくれたんです。
市村正親さん、鹿賀丈史さん、滝田栄さんが揃ったとんでもなくゴージャスな舞台でした。その時に「舞台ってすごいな」って思って。
声優をやりたいと思っていたけれど、「役者を目指したい」と思うようになって受けたのが、多摩芸術学園という舞台俳優を主に育てている学校だったんです。
そこで、同級生の仲間たちが新劇や青年座、文学座とかを受験するって聞いて、「じゃあ俺も文学座受けよう」って(笑)。
そしたら文学座の研究所に合格出来て、1年ほど演劇の勉強をしたんですけど1年で「君はもういい」って言われて(笑)。
真彩:でも、その後ミュージカルのオーディションも受けられていたんですよね?
石川:そう。それから青年座の研究所に拾ってもらって、研究生から準劇団員に上がった時に「お前は歌の勉強をしておけ」って言われたの。
真彩:それまでは歌の勉強はされていたんですか?
石川:何にもしてない。最初に覚えたのは「とんぼのめがね」だったのは覚えているよ。
真彩:音楽に触れる機会は多かったんですか?
石川:多かったんだよね。両親がカトリック信者だったから、讃美歌とか。
歌を専門的に勉強したのは、文学座の研究所に入った頃、ポップスメインにボーカルを教えている先生に指導してもらった時。「あなたは自分の声と似ている歌手の歌真似をしてごらん」って言われて、それが井上陽水さんだったんです。
真彩:クラシックが元の声なんですか?
石川:違うんです。まったくクラシックは勉強したことないんです。
真彩:禅さんの力強い声もとっても素敵で大好きですが、やわらかい声のイメージがあったので、ポップスだとは思いませんでした。
石川:ひょっとすると、そっちの声は(演出家の)小池修一郎さんのおかげかもしれないな。
真彩:私も小池先生には色々とご指導いただきました(笑)。
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