僕はおじいちゃんおばあちゃん子でした。実家の家具屋の仕事で両親ともに忙しかったため、母方の祖父母の家で過ごすことが多かったのです。
でも戦争の話を聞いたことは一度もありません。あえてしなかったのでしょう。もっと話を聞きたかった。祖父母の生きた時代のことを。考えたこと、感じたこと、その思いを。祖父母を思いながら、心を込めて読ませていただきたいと思います。
ささやかな日常のエピソードを聞くたびに、戦時下という想像を絶する時代にも、私たちと同じような日常があり、人の数だけ物語があったと気づかせてくれます。
感染拡大により、これまでの日常が制限される今。壮絶な時代を生き抜いた暮らしの知恵やささやかな楽しみや喜びはきっと私たちに勇気を与えてくれると思います。
そして、あちこちにいたすずさんたちが経験したあの時代を忘れないために。すずさんたちの物語を大切に読ませていただきたいと思います。
今回、このような番組に携わらせていただくことになり、長崎県出身で幼い頃から平和学習を受けてきた身としては、気が引き締まる思いです。
受け取り、繋いでいくこと、今何をしていくべきなのか、皆さんと一緒に改めて考え直すきっかけにできたらうれしいです。
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