<菅原小春>“身体能力”活かしハマり役続く「おかえりモネ」アスリート役に説得力

2021/08/07 07:30 配信

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「おかえりモネ」第59回 百音(清原果耶)は鮫島(菅原小春)のオリンピックへの挑戦をサポート。鮫島の身体能力の高さに圧倒される(C)NHK

魂を燃やす役を演じる人


“私は人見絹枝さんと同じく身長が170cmと高いので、バックダンサーとして踊っているときに目立ってしまうんですよね。(中略)体型に関してコンプレックスを持っていた時期もあったのですが、海外に飛び出して行った時に「なんだ、全然普通じゃないか」と気づけたんです。そして「コンプレックスを自分の強みに変えていかなくちゃいけない」、「努力して磨いていかなければいけない」と思いました。人見さんもそのように感じていたのではと思います。”(WEBザテレビジョン:<いだてん>世界的ダンサー菅原小春“大河”出演の決め手は「魂を燃やしたい」2019/07/06配信 より)

人見絹枝は、まだ女性が目立った活躍をすることが一般的でなかった時代に、高身長と抜きん出た身体能力をもったことで、ひと目を気にしながら生きていた。だがその身体能力を堂々と発揮する機会を得る。

しかし「いだてん」第26回で絹枝はアムステルダム・オリンピックに出場するも期待の競技で残念ながら負けてしまう。「(日本の女子選手の夢が絶たれてしまうから)このままじゃ(日本に)帰れません」と別の競技で挽回させてほしいと必死で懇願する場面と、そのあと全身全霊、泣きそうな顔で力走し世界新記録でメダルを獲得した場面は胸を打った。

前述のインタビューのなかで、今後も演技をやるかという問いに、“私は私で人見さんのように共鳴できる人に出会ったり、「私が魂を燃やす意味があるな、私の体と心を通して伝えられるものがあるな」と感じた時にまたやってみたいですね。”と語っていた菅原。

だとすれば、「おかえりモネ」の鮫島もきっと魂を燃やす役であるにちがいない。

第59回で「負けん」と叫んで車いすを漕ぐ姿、足を動かすことができなくても決して弱音をはかず前向きな姿――でもその裏に強烈な敗北経験があって、それを生きる活力に転じていく。そんな人見絹枝の姿とも重なる部分があるように感じる。

鮫島が百音たちの協力を得て今後、オリンピックの選考会に出場した時、最高の心燃やすパフォーマンスを期待したい。

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