多彩なコンセプトを掲げたミックスCDを発表し続けているDJ和インタビュー!「CDと共にどこまでいけるのか試したい」

2021/08/11 12:00 配信

音楽 インタビュー

【写真を見る】色使いが鮮やかな椅子が絶妙に彼とマッチした1枚撮影=大石隼土

――2000年代というところに目を向けたのは?

「音楽が一番盛り上がってた、CDが売れてた時代は90年代だと思うんですけど、今からだと遠いというか。それよりも、2000年代はちょっと前だけど、今でも鮮明に憶えてるし、思い返すにはちょうどいい時期なのかな、って。懐かしいんだけど、まだ最近という絶妙なライン。このあたりはまだあんまり語られてないところでもあるし、そこをテーマにしようと考えました」

――意外といいますか、00年代はまだそんなに目を向けられてないんですね。

「日本の音楽業界でヒット曲が一番生まれたのは1980年代後半から1990年代にかけてだと思うんですけど、いわゆるコンピレーションCDってその時代か、もしくは最新の曲をまとめたモノがほとんどなんです。それ以外となると、夏とか春とかテーマを絞った形にして、90年代から最新の曲までバーっと入れるみたいな。ただ、アニソンって1990年代の流れを受け継いで、00年代にいろんなモノが開花したところがあって」

――具体的に何かを挙げるとしたら?

「例えば、1995年に『新世紀エヴァンゲリオン』が放送され、あそこら辺から大事件が起きていったように思うんです。それこそ、みんながアニソンという表現を使うようにもなっていったし。それ以前の時代って、アニソンというよりアニメの曲みたいな認識で、ジャンルとして括られてなかったじゃないですか。90年代以降、アニソンを熱心に聴く人が増えて、そこから広がっていったし。今の令和のアニソンにつながるスタート地点って、そこらへんじゃないかな、と」

――今につながるアニソンというカテゴライズが徐々に構築されていったのが2000年代だと。

「もうちょっと細かくいうと、2000〜2005年ぐらいまでは1990年代からの流れが色濃くて、そこまで変化はないんです。ただ、2006〜2010年になると一気に開花していったというか。『らき☆すた』や『涼宮ハルヒの憂鬱』あたりですよね。みんな作品を観て、曲を聴いて、それがどんどん広がっていって、みたいな」

――となると、2000年代は過渡期であり、混沌としていたところもある。

「今って、あの作品が売れたから、こういうのが良さそう、っていう観点もあると思うんです。このジャンルはあの監督でここの制作スタジオがやってる、みたいなのもあったり。でも、2000年代はホントにバラバラで、何かヒットするかも分からないし、その偶発的なことすらも楽しんでいたような気がしてますね」

――『らき☆すた』は、アニメの舞台となった土地へ実際に足を運ぶ聖地巡礼でも話題になりましたよね。

「アニメの聖地巡礼自体はそれ以前からもありましたけど、『らき☆すた』も初期の方でしたね。あれも作品側が行ってくれといったわけじゃなくて(笑)、観た人が感化されて現地へ向かった、という。で、最終的には自治体とコラボしたり。そういったことが根付いていったのも00年代ですね」

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