――共演のキャストについての印象はいかがですか?
田中麗奈ちゃんは「源氏物語 千年の謎」、(降谷)建志くんは「アリーキャット」、でんでんさんは「ヒミズ」で共演していて、大島(優子)さんと河合ちゃんは今回が初めまして。板尾(創路)さんは最近「ファーストラヴ」で会ってるのでご無沙汰でもない感じでした。役柄的にみんなとあんまり会えなくて、座長として…と言ったらおこがましいんだけど、全員が芝居しやすいようになったらいいなという思いはありました。
――皆さんの演技について感想を聞かせてください。
いやほんと、みんなとても良かったです。大島優子ちゃんは、気負いがなくて自然体で、ちゃんと歳を重ねたからこそ出てくる女性の色気みたいなものがあって素敵だった。でんでんさんは問答無用に、非常に怪しい雰囲気を醸し出してくださった。板尾さんの演技も絶妙。建志くんは、「アリーキャット」ではもうちょっとコミカルな感じもあったけど、今回の役はあの人の軸に近かったから、自然なかっこよさが出ていたんじゃないかな。なんせ役がバンドマンだしね。そして、その全員を相手にした河合ちゃん。小夏が青森から出てきて成長していく過程が、河合ちゃんが初日に現場で緊張していたところから少しずつほぐれていく時間軸の流れと絶妙に合っていたなと。
――スマホに特化した“縦型ドラマ”やそれに合わせた演出、1話約10分の短尺など、今作は非常に実験的な試みでした。
今の時代は誰もがスマホとともにあって、もうすぐネットがテレビを追い越すとも言われています。ようは逆転した時代になっているわけで、そういった今の考え方・流行りに乗る必要はなくても、意識してアクションを起こせるようにしていたいと考えてるんで、そういう意味では自分的にいい挑戦でした。それと、10分で観られて余白があんまりないっていうのも、スマホならではの特徴があって面白い。もし、これがバズるんだったら、今までほどのバジェットや人数をかけずにドラマを撮れるという点においても、いいプロトタイプになり得るんじゃないかな。
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