「刃牙はBL―」松本穂香インタビュー 「私も好きなキャラで妄想することはあります(笑)」

2021/08/19 06:00 配信

ドラマ インタビュー

「(自分の好きなことを)隠しているからこそ大事なものになっていくのかも」

女性はみんな妄想好き? 松本穂香も“妄想経験”を告白 ヘアメイク:尾曲いずみ(STORM)、スタイリスト:道端亜未


――あかねは腐女子として一途に“推し”への愛を捧げていきますが、「キャラクター愛」的な部分で共感するところはありましたか?

松本:私も結構妄想とか気づいたらやってしまうところがあるんですけど、特に女性は妄想好きの方が結構多いんじゃないかと思います。なので、それがドラマの中で形になっただけっていう感じで。みんなあれくらいはしてると思いますし、私もしています。カップリングとかはさすがに無いですけど(笑)、好きなキャラで妄想っていうのはあります。


――あかねは“腐女子”であることを隠して生きてきた女性ですが、好きなことを隠さなきゃいけないことについてはどう思われますか?

松本:隠すことで平和でいられるならそうしたらいいと思いますけど、それが言える世の中の方がいいとは思いますね。偏見とかがあるからそうやって隠してしまうのかもしれないですけど、隠しているからこそその人にとってより大事なものになっていくのかもしれないですし。

やっぱり自分の中で大事にしていればしているほど、人に言いたくないことってあると思うんです。人に言ってしまうとちょっと軽くなっちゃうような気がして。好きなものもそうですし、大事な思い出とか大事な気持ちとかも、バラ撒けばバラ撒くほど薄くなっちゃうような感覚はあります。

なので、楽しさを共有する範囲は狭い方が良いのかなと思ったりします。「好きっていうものを大きい声で言えたらいいよね」っていうのもわかるんですけど、別にそうじゃなくてもいいし、そこは個人の自由だなと思います。


――その点、あかねは居酒屋で腐女子仲間と話している時が一番キラキラしていて、「楽しそうだな」と思いながら見ていました。

松本:実際撮影中に周りの方も「楽しそうだね」って言ってくれていて。(演じる上で)そういった声にすごく安心していました。


――腐女子という役柄を演じる上で、監督から「こんな雰囲気で」とか「こんな口調で」といった演出はありましたか?

松本:特に無かったですね。山岸監督とはご一緒するのが3度目くらいなので、監督の中で私がこういう風に喋っていたらっていう想像をしてくれた上でのお声がけだったので。役についてどうこうというよりは、そのシーンのテンションみたいなことをリハーサルの時などに話してくださいました。


神尾楓珠のアドリブがキャラクターのウザさを生む?

松本穂香が共演の二人を絶賛! ヘアメイク:尾曲いずみ(STORM)、スタイリスト:道端亜未


――現実世界のあかねの前には二人の男性が現れますが、二人の役柄の印象はいかがでしたか? どちらもなかなか極端なキャラクターですが…。

松本:そうですね、二人ともちょっと変ですよね(笑)。ただ、二人に限らず出てくる人たちがみんなまっすぐだなと思いました。そんなに屈折している人はいないなっていう。(岡山天音演じる)竹野くんも「あかねが好き」っていう気持ちに対してまっすぐすぎるほどまっすぐですし。

(神尾楓珠演じる)柴本くんは、台本で読んだ以上に神尾さんのお芝居ですごくキャラクターが膨れ上がったというか。そこまで色がある役ではなかったと思うんですけど、神尾さんがいろんなアドリブを盛り込んだことによっていい感じのウザさとか空気の読めない感じとかが生まれていったんです(笑)。

去り際にピースして帰るシーンとかも全然台本になかったんですけど、それに反応して天音さんも(嫉妬心むき出しの演技で)ギリギリギリ~ってなるし。神尾さんは年下なんですけど、堂々としていてすごい方だなと思っていました。


――岡山天音さんと共演されての印象はいかがでしたか?

松本:本人は全然そのつもりは無いと思うんですけど、とにかくストイックな方だなと思います。本人はそれをしたくてやっているし、自分が一番やりやすい方法だからやっているんです。それがまたカッコよかったりして。

今回はコメディーな感じですけど、「コメディーだからそんなに集中しなくてもいいや」ってなりそうなところを、ちゃんと一つ一つ「ここの動きはどうだ」とかすごく真剣に毎回考えて動いていて、監督とも話し合っていますし、その姿勢はいつも尊敬しています。


――物語が進むにつれて、あかねは現実の方がグチャグチャしてきて妄想に救いを求めていくようなシーンもありましたが、そういったシーンはいかがでしたか?

松本:ああいう現実逃避みたいなことは私もめちゃくちゃあります。現実のことでも頭がいっぱいになっちゃうんですけど、そういうちょっと息抜きするような時間も大切にしたいし、生きがいがないとしんどいなと思う時もあります。


――そういう時、松本さんご自身ではどうやってリラックスされていますか?

松本:やっぱり好きなものに触れることですね。映画とかもそうですし、私はお笑いが好きなので、バラエティーとか芸人さんのネタを見たりしますね。