――“伊野三鈴”を演じるにあたって意識していることを教えてください。
伊野ちゃんは俊平(重岡)さんを近くで見守りつつ、でもみどり(山本美月)さんと一緒に仕事もしていたので、直接触れ合っていた方が亡くなってしまうという役柄です。他の仕事をしているときも、ふとみどりさんのことを考えると涙が出てきちゃうくらいなんです。セリフを覚えるときも、家で泣きながらやっています。
台本を読んでいて、伊野ちゃんは大切な人を失う悲しみとか、それを言えないもどかしさとかを抱える俊平さんを一番近くで見ている役だと感じるので、本当に涙をこらえながら撮影をしています。
伊野ちゃんは近くで俊平さんを見守りながらも、ガッツがあるところとかを心からリスペクトしていると思うんです。絵本の出版社で働いている自分も好きだと思うので、そういった部分を意識しながら演じています。
――普段のものまねタレントとしての活動と、今回の演技のお仕事での違いはどういった部分になりますか?
私はコントだとカメラやお客さんの方を見て決める!っていうことが多いんですけど、ドラマってカメラを見ちゃだめじゃないですか(笑)。カメラがないと思って演技をしなきゃいけないから、それがすごく大変です。
普段は自分の番が来たらカメラをしっかり見て決めにいきますが、ドラマの撮影ではこらえるようにしています。その間にも表情とか、言葉の間とかで役をしっかりと出さなきゃいけないので、課題があるなって感じています。でも、(演技のお仕事は)楽しいし、すごくやりたかったので、いろんなことを意識しながら頑張っています。
――その“違い”が苦戦しているところでもあるということですね。
そうですね、役の中では静かな人間にならなければいけないときもあるので…。普段テレビに出ているときの私を100%だとすると、演技の中では70%の私も、20%の私も必要になってくるんですが、その割合が結構難しくて…。周りの方々を見ながら、勉強させてもらっています。
――演技のお仕事を楽しんでいるっていうのが伝わってきます。
すごく楽しいですし、本当に勉強になります。皆さん、ナチュラルだけど“伝える”っていう演技がすごく上手な方が多い現場なので。今までドラマのレギュラー出演を経験したことがなかったので、今回は長い期間をかけて、いろんなものを得ている感じがします。
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