警察官といっても、視聴者と地続きの、あくまでふつーの人である登場人物たちが生き生き魅力的なのは俳優たちの力であろう。
とりわけふつー代表・川合のヘタレ具合がいい。安定収入を求めて警察に入ったものの労働条件がハード過ぎてついていけない。
やめようと思った矢先、藤の下に配属されて鍛えられ意識が変わっていく川合を永野がじつにナチュラルに演じている。
きりっと姿勢がよくて隙のない先輩警官・藤を演じている戸田恵梨香もかっこよくて魅力的だが、永野の肩に力が入ってない、ヘタレなところを隠さないところに親しみが沸くし、川合を応援したくなる。
永野芽郁の良さは、いつも困った顔をしてやや脱力気味の川合をいいバランスで演じていること。
俳優は演じる仕事なので、かっこいい役もかっこ悪い役も考え抜いたうえ気合を入れて演じていて、良くも悪くも隙がなく見えてしまうもの。
しかし永野は、緊張感や清潔感を失わないギリギリのところで自然に演じている。天然女子な川合を、ほんとうのダメな子に見えないラインに寸止めしているところにクレバーな才能を感じる。
第4話で「絶対に捕まえる」と力んで犯人を追いかけるも転んで「やっぱダメじゃん私……」と落胆するモノローグの声に力の入っていなさが、芝居芝居してなくて逆にいいのである。
そうかと思えば、第5話でイケメン消防士にお姫様抱っこをされてときめいてしまうような漫画みたいな感じもさらりと自然にやってのける。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)