草なぎ剛 が思う自身の“職人”な部分「この世界一本でや ってきたということ」【連載コラム】

2021/08/24 00:00 配信

芸能一般 連載

「過去の自分より少しでも良くなっていれば、勝っていればいい」

「過去の自分より少しでも良くなっていれば、勝っていればいい」撮影=諸永恒夫

 人生に正解というのはないし、近道もない。失敗も当然あるよね。だから“自分との戦い”なんだと思います。相手は過去の自分だけ。これスケボーの解説の方が言ってたんですよ。選手みんな自分のベストスコアを超えようと戦っているわけじゃないですか。スケボーも前にできなかった技を成功させるだけ。だから「戦っているのは過去の自分とだけ」と。僕は見ていて涙が出てきてね。素晴らしいなと。その言葉がズドンと胸に響いて。僕の答えはこれだと。僕も死ぬまで向き合うのは、過去の自分だけにできたら最高にいいんじゃないかなと思った。どうしても人のものが良く見えたり、人と比べちゃうのが人間で。彼の方が僕より勝ってるとか魅力的だなと思うけど、それを刺激にするのはいいけど、気にするべきことは昨日の自分なんだよ。過去の自分より少しでも良くなっていれば、勝っていればいいわけで。
 例えば映画なら「ミッドナイトスワン」はすごく良かった、じゃあ次はそれをどう超えるか。舞台なら「アルトゥロ・ウイ︱」の初演よりどれだけいいものを再演で見せられるか。オリンピックは改めて僕に教えてくれました。

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