過酷な運命を背負うマーベルの新ヒーロー“シャン・チー”の魅力に迫る＜シャン・チー／テン・リングスの伝説＞

世界を救った父の天才的な才能を受け継いだアイアンマン／トニー・スターク

兵器を開発するスターク・インダストリーズを経営していたアイアンマンことトニー・スターク。その会社を設立したのが、彼の父であるハワード・スターク。ハワードは天才的な兵器開発者で、キャプテン・アメリカを生み出したスーパーソルジャー計画や平和維持と諜報活動を担う組織S.H.I.E.L.D.の設立にも協力した偉人で、マーベルにはなくてはならなかった存在だ。

トニーが子どものころから仕事人間だったため父子の仲は良くなかったものの、トニーは父親譲りの天才的な技術と頭脳を生かし、アイアンマンを誕生させ、後に自身が命の危機に陥ったときはハワードが残した新素材の設計図を頼りに、無事命を取り留めた。

本来の父と子どものような仲むつまじい関係は築けなかったものの、自分や世界を救ってくれたハワードをトニーは尊敬し、熱い思いを寄せている。ハワードの頭脳を受け継いでいなければ、トニーがアイアンマンを誕生させることはなかった。

時に厳しく、時に愛情深い、偉大な父との熱い関係…ソー

神々が暮らす、アスガルドを統制する王で偉大な戦士、オーディンを父に持つソー。オーディンの元に生まれた彼は、王位を受け継ぐ身となるが、自身の横柄な態度や父の命令を無視して自分勝手な行動を取った罰として、オーディンによって人間界に追放される。

しかしソーは、弟・ロキの企みによって地球へ襲ってきたデストロイヤーと壮絶な戦いを繰り広げ、見事地球を救った。勇敢な戦いを目の当たりにしたオーディンは息子への信頼を取り戻し、その後も父子の熱い関係が築かれてきたが、死の女神でありソーの姉であるヘラがアスガルドにやって来ることを告げたとき、オーディンは長い命を終える。

一見厳格な父に見えるが、ソーにとってオーディンはアスガルドを心から愛し守ろうとする王であり、偉大な父。その父の意志を受け継ぎ、ソーは世界を守る最強のヒーローへと成長した。

父の死を乗り越え成長した国王・ヒーロー、ブラックパンサー／ティ・チャラ

アフリカの小国で4つの部族が集まるワカンダ、その王国を統一していたのがティ・チャカ王。彼はワカンダの国王として任務を果たしていたが、その最中に爆破テロによって命を落としてしまう。

亡きティ・チャカの後を継いだのが、のちにブラックパンサーとなる息子のティ・チャラ。彼は父の死後、戴冠の儀式でジャバリ族の挑戦者エムバクを打ち負かし、晴れてワカンダは新たな国王となる。

偉大な父から受け継いだ責務の重さに悩みながらも、父の遺志を受け継ぐ国王、さらに世界を崩壊させるパワーを持つヴィブラニウムを保持するワカンダの秘密を守るヒーロー、ブラックパンサーとして2つの顔を持ちながら、世界を守る戦いに身を投じる。