「ネタバレ禁止イベント」が人気好調、“拡散禁止”による共犯関係がファンを刺激

“秘密性”が担保されたオンラインサロン、人気芸人も続々参戦

西野亮廣※2009年ザテレビジョン撮影


こうした“秘密性”が担保された著名人による発信の場としては、近年だとオンラインサロンが注目を集めている。日本でもっとも有名なオンラインサロン運営者の一人といえば、キングコング・西野亮廣だろう。

西野のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」では、西野の日頃の気づきや企画案などが、非公開のFacebookグループにほぼ毎日投稿される。さらに西野が個展やイベントを仕掛ける際には、手伝ってくれるスタッフをサロン内で募集しており、PV制作などといいったクリエイティブワークに携わることもできる。このほか、サロン限定Twitterや、プロジェクトのミーティングや勉強会といったオンラインサロンメンバーの分科会など、メンバー同士の交流も盛んに行われている。

また、お笑い芸人のオンラインサロンでいうと、オリエンタルラジオ・中田敦彦の「PROGRESS」も有名だ。YouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」収録のZoom観覧や中田の毎日生配信「ホームルーム(朝の会)」に加え、メンバー Zoom交流会 &会員専用Twitterでの交流を実施するという「サロンメンバー限定のコンテンツ」と「サロンメンバー同士の交流」の2軸で構成されている。その他、藤森慎吾、ニューヨーク、鬼越トマホークなどもオンラインサロンを展開している。

オンラインサロン会員のほとんどは、毎月定額を払ってでもその芸人のコンテンツを楽しみたいと考える、熱心なファンだ。情報が外に漏れるリスクは極めて低い。そのため、自身のオンラインサロンを持つ芸人は今後も増えていくのではないか。

こうしたムーブメントは芸人界隈だけにとどまらず、国内最大級のオンラインサロンプラットフォーム「DMMオンラインサロン」は、2016年度に有料会員1万人弱だったが、2020年度には9万人を超える規模に急成長を遂げている。このように、クローズドなコミュニティへの需要は年々高まっているのだ。

また、動画・生放送・ブログなどを配信できるプラットフォーム「ニコニコチャンネル」においても、有料会員数は2020年9月末には120万人を突破するなど、年々会員数が増加している。このように、「有料会員だけが見られるコンテンツ」の需要が高まっていることがわかる。