“普通”がわからない…知的障害を持つ女性の恋愛漫画、作者の経験と学びを反映「自分を愛さなくていいから許してあげて」

2021/09/20 19:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

ざくざくろさんによる「初恋、ざらり」が話題

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、ざくざくろさんがTwitterで連載している「初恋、ざらり」。連載回数を重ねるごとに人気を伸ばし、同作は今回は、作者のざくざくろさんに創作の背景などを伺った。

必要とされたら拒めない25歳女性の恋愛模様


コンパニオンとして働く25歳の有紗は、軽度の知的障害を抱えている。療養手帳を持ってはいるものの、そう記載すると就職の面接に落とされてしまうだけでなく「しょうがい者枠は安いからふつうがいい」という理由から、履歴書にはその旨を書いていないという。

そんな中有紗は配送センターに就職が決まり、岡村という男性に仕事を教えてもらうことに。午前と午後を「AM」「PM」と表記することがわからなかった有紗に対して、「オレも最近まで知らんかったし!」と優しくフォローしてくれた岡村のことが気になり始めてしまう。

有紗は「自分が世界に必要とされるには“普通”でなければいけない」「でも自分はバカだから人より努力をしなければいけない」と思っており、必要とされたら拒めない性格の持ち主。本来は禁止されているがコンパニオンとして出会った客とプライベートで会ってしまったり、キスを拒めなかったりと罪悪感や嫌悪感を抱えながら生きる中で岡村の優しさに触れ、恋に落ちる。

不器用ながらもまっすぐな有紗と、戸惑いつつも有紗と向き合い続ける岡村の恋模様を通して「普通とは何か」を問いかける同作は、連載回数を重ねるごとに人気を伸ばしており、中にはいいね数が1万以上を超える回も。読者からは「キュンキュンする」「初々しい恋愛が可愛い」といった恋愛に対する感想のほか、「有紗ちゃんの“普通”を求める気持ち、とてもわかります」「普通って何なんだろう」「胸がしめつけられる」など“生きづらさ”に対する共感の声が寄せられている。

今回は、自身もADHDとアスペルガー症候群と診断を受けているという作者のざくざくろさんに創作の背景などについて話を聞いた。