優れた脚本、演出、役者陣の好演などが「ハコヅメ」を成功に導いたことは確かだが、その裏にもうひとつ、同作品の大胆なYouTube活用戦略も見逃せない要因としてある。
放送後に作中の一部を“ノーカット”でYouTubeに配信。最も多く再生されている「絶対に笑ってはいけない“通常点検”」(第1話抜粋)は、7月13日に公開され9月14日時点で約530万再生を記録している。
該当シーンは、同局の年末恒例特番となっているダウンタウンら出演の「笑ってはいけない」シリーズのパロディと思われる場面。
真面目に行わなければいけない通常点検(警察官の規律を保つために、身に着けている装備品の状態や動作の確認などをする)中にさまざまな面白ハプニングが起き、その場にいる警察官たちが笑いを我慢し続けるという約4分30秒の動画だ。
さらに「絶対に笑ってはいけない“警察術科訓練”」が約350万再生、「真夏の刑事課への対処法は“ヘリウムボイス”!?」が約280万再生、ほか複数のノーカット動画が配信されており、「日テレドラマ公式チャンネル」の再生数1位~9位を「ハコヅメ」ノーカット動画が占めている。
テレビ局がYouTubeで配信する動画として一般的なのは、30秒~1分ほどの事前予告。放送後にダイジェストを配信しているドラマもあるが、ぶつ切り感は否めず、その動画単体で楽しむことは難しい。
しかしハコヅメのノーカット動画は、まったくドラマを知らない人が見ても楽しむことができ、さらにTwitterなどでシェアしたくなる。実際、前述の「通常点検」動画は公開されてから約2カ月たっても、いまだに「おもしろい!」と動画のURLをシェアする人たちもいて、ハコヅメの宣伝に寄与し続けている。
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