アル・パチーノが盲目の退役軍人を魂の熱演！　映画「セント・オブ・ウーマン／夢の香り」がBS12にて放送

毎週土曜夜7:00より、BS12 トゥエルビにて放送中の「土曜洋画劇場」。9月11日(土)夜7:00からは、アル・パチーノがアカデミー主演男優賞に輝いたヒューマンドラマ「セント・オブ・ウーマン　夢の香り」を放送する。

マーティン・ブレストが監督を務めた本作は、人生を悲観した盲目の退役軍人と、ある人生の選択を迫られた心優しい苦学生の世代を超えた心の交流を描く。盲目のフランクを演じたアル・パチーノの渾身のパフォーマンスは、名演として今も語りづがれている。

ボストンの全寮制高校に奨学金で入学した苦学生・チャーリー(クリス・オドネル)は、クリスマスに故郷へ帰省する費用を稼ぐため、気難しく人間嫌いな盲目の退役軍人・フランク(アル・パチーノ)の世話をすることに。

頑固なフランクに振り回されていたチャーリーは、ある時フランクのニューヨーク旅行に強引に同行させられること。一流ホテルや高級レストランを使う豪華な旅に驚くが、チャーリーは共に過ごすうちにフランクの人間的な魅力とその裏にある孤独を知り、徐々に信頼と友情を育んでいく。

アル・パチーノの壮絶な演技は一見の価値あり！

名優、アル・パチーノが本作で見せる瞳をまったく動かさない演技は、「暗くなるまで待って」のオードリー・ヘプバーンや「はなれ瞽女おりん」の岩下志麻ら、盲目役を演じてきたあまたの俳優たちをも凌駕するような渾身のパフォーマンス。

気難しくて口が悪く、軍隊生活の流儀を貫くフランクは、今ならパワハラ、セクハラと非難されそうな人物だ。だが、マーティン・ブレスト監督は、フランクの独特なユーモアやウイットと、表面的な傲慢さの下に隠されている優しさを、愛情を込めて描いていく。

ニューヨークのホテルで出会った女性とタンゴを踊る場面や、試乗したフェラーリを猛スピードで飛ばす場面、そしてクライマックスの感動的な演説場面といった数々の名シーンからは、米・アカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞をダブル受賞したこともうなずける。

人生に絶望していたフランクは、偶然出会ったチャーリーの純粋さに心を動かされ、窮地に陥った彼を救い出そうとする。校長の不当な圧力に屈せず友人を守ろうとするチャーリーを、フランクが弁護する言葉には、今のご時世と相まって思わず胸を打たれることだろう。