【テレビの開拓者たち / 萩本欽一】欽ちゃん、テレビを語る!

2017/03/29 06:00 配信

芸能一般

窮屈な時代だからこそ、新たな才能に期待してる


「欽ちゃんのドーンとプラチナ!」は、萩本が手掛ける初のインターネット番組。萩本が考えたお題に対する“粋な回答”を視聴者から募る


――そんなふうにバラエティー番組の在り方を時代に合わせて作り変えてきた萩本さんは、テレビというメディアの現在をどうごらんになっていますか?

「僕が二郎さんとテレビに出始めたころの、窮屈な時代に戻っちゃってるような気はするな。でもだからこそ、それを打ち破る才能が必ず登場するとも思ってるの。僕が今やってる『欽ちゃんのドーンとプラチナ!』(FRESH! By AbemaTV)の狙いは、“とにかくやってみること”。初回の放送で『ここから何かが生まれる番組です』って言ったんだけど」

――そういえば、「欽ちゃんのドンとやってみよう!」も、当時「テレビ局がやるはずがないことをやろう」というコンセプトから生まれた番組だったとお聞きしたことがあります。

「そう! スタートはラジオで始まったからね。だから、『ドーンとプラチナ!』って原点回帰なの。それは閲覧者のみなさんからの投稿で、毎週気付かせてもらってます」

――2015年には新たなチャレンジとして、駒澤大学の社会人入試に合格。74歳にして大学生になりました。

「知らない学生も“欽ちゃん”って呼んでくれるのがうれしいね。いろんな人に会えるしさ。おととしの箱根駅伝に、番組の収録も兼ねて駒澤大学チームの応援に行ったの。最後に走った工藤(有生)選手にゴール後に話を聞いたんだけど、僕の前に、さんざんリポーターとか記者の人からインタビューを受けてて。だから僕は、リポーターたちと同じ話になるのはつまんないと思って、『工藤くん、今日はしりとりで話しましょう』って言ったの(笑)。で、僕が『よく頑張った』って言ったら、工藤くんが『たすき』って答えてくれて、そこから『絆』『仲間』って、もう見事に決まった!(笑) 長々と語るよりも、要点だけポッと言うのが良かったね。あまりにもいい言葉を出してくれたから、『サンキュー!』ってうれしくなっちゃった。

やっぱり他と違うことをやらないとダメ。それこそがテレビなんだから。テレビに関わるみんなも、とにかく勇気を持ってやらかさないと。なのに、似たような番組ばかり作ってるような気がするね。“失敗もテレビの一つ”っていう考え方に行き着けば、きっと良くなっていくはずだよ」

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