山田杏奈主演映画『ひらいて』への思いを首藤凜監督が明かす「原作を読んだ当時はとにかく愛に共感していた」

2021/09/15 17:00 配信

映画

主演:山田杏奈、共演:HiHi Jets・作間龍斗による映画「ひらいて」の新場面写真 (C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

ひらいて」は、女性から圧倒的な支持を得る芥川賞作家・綿矢りさが、高校生の思い詰めた恋心、暴走する思いを描き、人間の根源的な愛を問う小説。そんな文芸少女のバイブルとなった作品を新進気鋭の若手監督・首藤凜の脚本・監督で映画化される。

学校でも優等生でビジュアルも良く人気者の愛。恐れを知らない彼女の熱い恋心は、彼の恋人にまで向けられ、物語は三角関係だけにとどまらない方向へと進んでいく。

原作に出合った学生時代から脚本を書き続け、原作者である綿矢に映像化へのアプローチをかけていたという首藤監督。そんな首藤監督の様子を、今作のプロデューサーである杉田浩光氏は「“この作品が撮れないなら人生が終わる”くらいの熱量だった」と語る。

そんな首藤監督は、愛のキャラクター作りについて「愛には強い思い入れがあったし、原作を読んだ当時はとにかく愛に共感していた。でも、周りの意見を聞いたり、自分も年齢を重ねるうちに、どうやら多くの人は愛に深く感情移入はできないらしいということに気付いて。『どうしよう!』と思ったんですが、ちょっと愛を引いて見る感じにしようと。第三者が愛を見た時に、“気になるちょっと面白い女の子”と見えるようにと、愛を描くことには苦労しました」と脚本の制作時について振り返った。

首藤監督が原作と出合ってから8年の年月がたち映画化となった「ひらいて」。首藤監督は「“あの頃はこう感じたけど今思うとちょっと笑えるな、イタイな”と思う部分もあったので、そういう部分に共感してくれる人がいたらうれしい。逆に“なんか見たくない!”って目を覆いたくなるような気持ちになってくれたりすればいいなと思いました」と、見どころについて語った。

同作を見る人には、愛というキャラクターにどこか共感しながら、過去の黒歴史を振り返り、自分自身と向き合える作品となっている。

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