太田光(以下、太田):金の国、すごかったよね。
田中裕二(以下、田中):ネタのウケ具合はもちろん、内容、演技も完璧だったね。
太田:完璧だった!来年も優勝するんじゃないの!?
田中:来年出るかどうか、わからないから(笑)。
太田:金の国、というので金をあげたいね。それで河村(たかし)(名古屋)市長にかんでもらおう。
田中:やめろ(笑)! 金の国を最初に見た時に、桃沢さんがハライチの岩井(勇気)に似ているなと思ったら、ワタナベエンターテインメント所属と聞いて、ハライチの後輩だと知りました。それでおにぎりさんを見たら、澤部(佑)に見えなくもないなと思えてきて。ネタをやっている時以外でも、顔つき、雰囲気とかから、今後ブレークしそうな予感がしましたね。
――ファーストステージの審査が終わった後、太田さんは「金の国」が優勝するとおっしゃっていましたね?
太田:言霊ですよね。これは、僕の見る目がすごかったということに尽きるんじゃないですか。最終的には俺が優勝なんですよ!
田中:なにが、「俺が優勝」だよ!優勝を当てた人が優勝なんてないだろ!
2本、良いネタを続けたというのがすごいですし、ファイナルステージは笑いをとりにいくだけじゃなくてドラマ性を盛り込んできた。しっかり笑いに持っていく展開がうまかったね。あのネタの構図を2本そろえるだけでもすごく難しいんですけど、さらにキャラクターや作品の雰囲気も変えてきた。あの技術をみたときに力のあるグループだなと。“ツギクル”じゃなくて、今きてもおかしくない“今きていい芸人”だと思います。
僕はコントにそんなに詳しくないですが、ラストの展開の心地よさ、気持ちよさ、爽やかさは、すてきなコメディー映画を見たような余韻を感じられました。ネタを考えている桃沢くんは、相方のおにぎりくんの魅力を引き出す力がすごい。つい、おにぎりくんのキャラクターが印象に残りますけど、彼の魅力を引き出す桃沢くんの力はコンビのひとつの強みになっていると思います。
漫才師として今回感じたことは、コロナ禍でお客さんが少なかったので、やりにくかったんじゃないかなと感じました。お客さんがたくさん入っている環境でやらせてあげたかった。漫才はお客さんがいてなんぼなんで。VTRで実施した予選から力を出し切れていない漫才師がいたかもしれない。今回決勝では漫才師がいなかったですけど、コンテストでは漫才コンビが強い傾向にあると思うんです。改めて、若手だけじゃなくて中堅、ベテラン漫才師もコロナ禍を耐えるという時期なのかなと思いました。
おにぎりさんが2本のネタで、全く異なるキャラクターを演じられていたんですが、どっちもすごくしっくりくるんですよ。人相まで変わった!?というくらいひょう依していた。見ている方をちゃんとコントの世界観に連れていってくれるなと思いました。
ファイナルステージでは、私はダニエルズさんに投票しました。ストーリーがおもしろかったですね。ちゃんと定期的に笑いがあって、クオリティーが高くて。私の中では一番でした!Yes!アキトさんもすごかったですね。猛烈な勢いでギャグが出てくるけど、しっかり緩急がある。始まってすぐに笑いがあるギャグもあれば、見ている人の反応を待ってからくるギャグもある。一発ギャグの中に、おひとりで緩急をつけているのがすごいなと思いました。
優勝は金の国さんでしたけど、誰がブレークしてもおかしくない。15組全員がすごかったので、皆さんがこれから活躍されている姿が目に浮かびます。
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