ついにこの日が来てしまった…。2月以来のライブなので、楽しみ!早く見たい!という気持ちはもちろんあったが、これを終えたらTPDのライブはしばらく見られないのか…と思うとライブ当日が来てほしくない!というアンビバレントな感情を抱いていたのは私だけではないだろう。
と言っても、メンバーやスタッフさん、結成当時から見守っていたファミリーの皆さんからするとまだまだひよっこの筆者。感傷に浸り過ぎるのも違うなと思い、連日のリハを経てウォーリー木下氏の手掛けるステージを全力で仕上げてきた彼女たちへの敬意をもって、現場へ。
第1部となる「~Can't stop the TALES~」が開場し、「1曲目とラスト曲は何だろう?」「あれしかないっしょ」などとセットリストを想像しながら開演を待っていると、懐かしのアーティスト写真から最新のものまでスクリーンに映し出され、早くも泣きそうに。そして、1曲目から予想外だった。
“決して歩みを止めない”、というTPDの思いが結集したダンスナンバー「Can't Stop」で、メンバーそれぞれの個性も感じられるダンスで圧倒し、その後「TIME」をもってきた。
「Can't Stop」の演出で時計の針がグルグルと動き出したこともあって、もしや?とは思ったが、「ラストライブでも全然置きにいかないな…」とうれしくなった。“ブランク”という言葉はデキない人の言い訳だよ、とでも言わんばかりに7カ月ぶりのライブということを感じさせないパフォーマンスを見せる彼女たちは、続く「Counting the seconds」でも、まさに“普段通り”の顔を見せる。
しかし、この歌詞はズルい。ズルいというか、今これを歌われると余計に沁みるな…と浸っていると、早着替えを終えたメンバーとともに、「SHINY LADY」のイントロが。間奏でステージの上段と下段に分かれても息ピッタリのダンスを見せるメンバーたち。ギリギリで“ショートカット担当”を復活させた脇あかりが「今日は最高で最強の1日にしようね!」と呼び掛けたが、この時点で既にそうなる予感しかない。
そして5曲目はヒット曲「逆光×礼賛」。光の演出との相性、曲調もダンスもそれこそ最高で最強にカッコいい。いつも以上に無数のレーザー光線が会場を包み込み、激しいサウンドに負けない歌声。迫力満点のパフォーマンスだった。
恐らく自分が記憶喪失になってTPDを忘れてしまったとしても、このパフォーマンスを見たらTPDに瞬間で一目惚れしちゃうだろうな、というくらいのゾクゾク感。この時点で感傷に浸っていたことなどすっかり忘れて、TPDの世界にどっぷりと浸かっていた。
6曲目は白のペンライトが会場を包んだ「It’s Up To Me」。ペンライトを頭上で回させたら右に出る者はいないんじゃないか、というくらい軽やかに美しく回す橘二葉と、見る者を安心させる笑顔の櫻井紗季に癒やされていると、“じょにー”こと上西星来が「この曲とともに今日まで進んできました…」と徐に語り、思い出の曲「DREAMIN’」へ。
意外と早いタイミングでこの曲がきたなと驚いたが、これこそが2部構成の妙。ある意味ぜいたくなタイミングでキラーチューンを使ってきた。泣かせにきたというより、あくまで最高のダンスサミットを見せるんだ、という強い思いがそこにはあったように思う。
ここでソロ・ユニットゾーンへ。ダンスの申し子・橘による「Be ready」では、彼女のダンスの表現力が存分に生かされ、手足の長さも相まってしなやかに、大人の女性を感じるものに。
さらに、浜崎香帆の自作曲である「はじまり。」をワンマンライブ初披露。SHOWROOMでひっそり聴いた時も良い曲だなと思っていたが、今回は櫻井がダンスで華を添えたことでさらに魅力が増した。浜崎の伸びやかな歌声はやはり素晴らしかったが、櫻井のダンスも見事な表現力だった。さすがTPD屈指の女優といった感じか、グッと引き込まれた。
それからピンクのワンピースで上西が「恋」を、脇が「Shadow Dancer」をそれぞれ“最高の仲間たち”を従えて披露。それにソロ・ユニット曲中にはちゃんとそれぞれのメンバーカラーのペンライトが会場を埋め尽くすあたり、声は出せなくても思いは一つ、やっぱり偉大なるファミリーだなとつくづく思った。惜しむらくは、一度でいいからメモも取らずに客席でファミリーの方々とライブを見てみたかった。
いや、仕事しろ…ってたまに圧の強めな美容番長さんか大分の無邪気な人に怒られる。はい。優しい2人が言うわけないですね。
話を戻し、続いては「BURN ME OUT」の浜崎&橘コンビ。ステージ狭しとダイナミックなダンスを披露すると、パワフルボイスの歌姫・高嶋がクールなマイクスタンド使いで「Darlin’」を。いついかなるときも安定の歌唱力は、今後も披露する機会を作ってほしいものだ。
それから、こちらもまたいつか見たいな…いや、見られるはずだと期待している、上西&脇コンビ=赤の流星による「Move On!」。皆さんも思っているだろうが、TPDとは一味違う魅力が感じられるワンマンライブをまたやってくれたりしないだろうか。
さらに、ぐーちょきぱーの「世界はわたし中心にまわってる」を櫻井&TPD全員で。いさきが大好きだという曲だが、個人的には初めてライブで聴いたかもしれない。キャッチーだし、パフォーマンスもとてもキュートだ。
それにしても、今さらながら本当に幅広い楽曲があるグループだ。ラストライブ×2部制というと、ヒット曲を中心に半数以上同じ曲で、しっぽりやって幕引きするのが定番かと思いきや、1部と2部で被っている曲の方が少ない、というのは彼女たちの底力であり、歴史でもある。これだけの数の曲、歌詞を覚えるのだって大変だろうし、同時に振り付けも覚えているわけで、本当に頭が下がる思いだ。
16曲目はSHOWROOM配信でゲットした赤チェックの衣装に加えおなじみのメガネを装着して「東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ」、17曲目には「TRICK U」で大人の6人の顔をのぞかせ、18曲目の「BE BORN」でますます畳み掛ける。
個人的には6年前の豊洲でのリリースイベントでこの曲を聴いて以来、TPDの虜になったきっかけの曲なので、長めのイントロダンス中にもうウルウル。かと思えば、会場が宇宙に迷い込んだような光の演出でバキバキな「Starship Flight」、今日も今日とてギターをかき鳴らし、2部あるんだよね?と心配になるくらい全力投球のパフォーマンスが続く「SURVIVAL!!」。本編ラストはエモーショナルな歌詞が心を揺さぶる「TALES」で締めた。
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