佐藤健×阿部寛が語る、役者としての使命感「セリフはあくまで結果であって、向き合っているのは“感情”」

2021/10/01 11:45 配信

映画 インタビュー

「社会派の作品でも、僕がやることはいつもと変わらない」

佐藤健×阿部寛撮影=大石隼土/スタイリスト=橋本敦(KiKi inc.)(佐藤)、 土屋シドウ(阿部)/ヘア&メーク=古久保英人(OTIE)(佐藤)、 AZUMA(M‐rep MONDO‐artist group)(阿部)

――本作をはじめ社会派の作品に出演することに対して、役者として使命感に駆られるようなことはありますか?

佐藤:今回の作品で言うと、今の社会のシステムに対して、理不尽さや悔しさとか、いろんな感情を持っている人がきっと実際にいて、利根を通して、そういった方たちの代弁者になれればいいなと思っていました。だから、僕の場合は、あくまでも利根という人物に向き合うことだけでした。

その結果、利根をはじめこの作品に共感をしてくれる方たちや、この作品からいろいろなことを感じとってくれる方たちが、現れたらいいなと。そういった意味では、社会派の作品でも、僕がやることはいつもと変わらないですね。

――では阿部さんは、どんなところを一番大事に演じましたか?

阿部:自分が出演した作品で、多くの人に救いや気付きといった良い影響を与えられたらうれしいですね。今回の作品のように社会には見えない歪みがたくさんある。弱者は常に強者にその存在を消されようとしている。これは過去の歴史から人間社会の中でずっと繰り返してること。こういう社会派の作品で、その弱者の心の底を丁寧に描いていくことに、これからも参加させていただきたいと思います。

取材・文=戸塚安友奈

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