インタビューでは、小栗が影響を受けたという二人の大物俳優の名前も挙がった。
その一人が、ドラマ「救命病棟24時」(2005年、フジテレビ系)の共演で出会った香川照之。映画「キサラギ」(2007年)で3週間ほどスタジオにこもりきりで撮影する間に、一気に親しくなった。
その親交は今でも続いているといい、「ときどき香川さんに連絡して相談させてもらったりします。必ずしっかりとした意見を言ってくださる」「一つの考えとして、いつも『ああ、なるほど』と思うことを言ってもらえたりするので」と、絶大な信頼を置く。
そしてもう一人が、吉田鋼太郎。小栗は、蜷川演出のシェイクスピア喜劇「お気に召すまま」(2004年)で初めて吉田と共演した。小栗は、この共演で吉田から多くを学んだという。「ノウハウを教えてもらったというか、稽古が終わった後に1時間ぐらい、シェイクスピアに臨むためのメソッドみたいなことを受けて日々過ごしていた、という感じで。自分の中では“お師匠さん”みたいな方ですね」と振り返った。
香川とは、10月10日(日)スタートの日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」(毎週日曜夜9:00、TBS系※初回25分拡大)でも共演中。林先生が香川との共演の感想を尋ねると、小栗は「楽しかったですね。現場にいていただけるとものすごく安心感をいただける方なので。特に、田所博士という少し変わった博士の役をやられていて。見ていて面白かったです」と笑顔で話した。
インタビューの最後、自身が身を置く業界への思いを尋ねられると、「(作品は)皆さんが現実逃避できる瞬間だとも思うんです。このコロナの環境の中で、演劇がストップしたり、映画館に入れない、みたいなことがあったりもしたけれど、確実に、本やおうちで何かを見るとか、芸術やエンターテインメントに触れる機会が増えているのも事実だと思うので、この灯は常にともし続けていかなければいけない」としみじみ。
「少しずつ、少しずつでも、そういうことを感じられる人の数を増やしていきたいと思っています」と熱っぽく語った。
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