――「カムカムエヴリバディ」に出演することが決まったときのお気持ちは?
NHKの“朝ドラ”といえば、約40年前の『藍より青く』にヒロインの相手役で出させていただいて、僕は出征する役だったんですが、「助命嘆願(この役を死なせないでほしいという嘆願)」がNHKに届いたそうです。そんな“朝ドラ”に70歳になっても出られることになり、緊張したりワクワクしています。しかも、最初はヒロインの相手役でしたが、今回はおじいちゃんの役ですからね(笑)。そういう意味では時代の流れも感じつつ、やっぱりうれしいですね。
――ご自身の役柄についての印象(ご自身との共通点・異なる点など)は?
この時代の和菓子職人ですから、頑固者で厳しい人だと思います。特にお菓子作りには厳しい人なんですが、一歩家庭に入って孫を見ると、甘くなってしまいます。僕には孫はいないんですが、息子が二人いて妻もいますので、杵太郎が安子に甘くなる気持ちはよくわかります。
仕事を継いでくれる息子の金太に対して、本当だったらもっと厳しくしなければいけないんですが、まぁ少しうるさいな、というぐらいにしておきたいと思います。日常を生きているんだから、あんまり厳しくなく、怖くないようにしようかなと。僕、怖い顔になるとすごく怖いから(笑)。なるべくソフトに、安心してドラマを観ていただけるように、あんまり僕の怖い面を出さないようにしました(笑)。
――収録に参加されてみて、現場の印象は?
現場の雰囲気は良いですね。特にコロナ禍ですから、みんな気をつけて気を張りつつやっていますし、僕もなるべく明るくするようにダジャレを言ったりしています(笑)。
また、お芝居の中だけじゃなく普段から、とにかく子役を含めてヒロインがかわいいです。だから現場も、楽しい良い雰囲気になっているんだと思います。
――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
親子三代にわたる物語を、よく企画されたなと思います。ある意味では日本の近代史にもなるんでしょうね。僕たちがいなくなった後々の物語も、現代を投影している内容もあるみたいなので、そういうところも含めてよくできた物語だと思います。展開が早いので、毎日しっかり観ていただきたいです。
この時代、おじいちゃんの存在というものが、大きいとは言わないけれど家族の一本の柱として存在していたんだよと知ってもらえたらと思います。おじいちゃんおばあちゃんがいて、孫の世代までいっしょに生きていく。その楽しさを岡山編では味わってもらいたいです。日本の昔の家族の在り方を観て、ぜひ、毎朝ほっとしてほしいです。
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