テレビなど番組に欠かせないスポンサーやテレビCMなど、度々“謎の会社”が話題となる。タケモトピアノやハズキルーペなどがその代表例だ。そして今、ラジオ界で“謎の会社”とリスナーの間でうわさになっているのが「株式会社ブレインスリープ」だ。2019年に設立された同企業は、一般的な認知度はないながらも、ラジオリスナーの間では知られた存在である。「ブレインスリープ presents 川島明のねごと」「ハライチのターン!」「三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」など数多くの人気深夜ラジオ番組のスポンサーを務めていて、「謎の会社」「ラジオ業界の秘密結社」「ラジオ界を牛耳っている」などとSNS上でネタにされることも。そこで、ラジオPRを担当するブレインスリープ社・藤平氏に直撃取材を行うと、数多くのラジオ番組をスポンサードする理由には「夜更かししている方に睡眠の大切さを伝えるチャンス」と語るほか、“ながら聴取”ができるラジオの需要が拡大するといったコロナ禍での変化が見えてきた。
――まずはじめに、ブレインスリープがどんなことをされている会社なのでしょうか。
ブレインスリープは、スタンフォード大学で睡眠に関する研究を行ってきた医師の西野精治氏が創業した会社です。主な事業内容としては、「ブレインスリープピロー」をはじめとした睡眠関連の自社プロダクトの開発、販売や睡眠医学に基づく法人向け新・健康経営サービスなどを行っております。
――ラジオでのPRを始めようと考えたきっかけをお聞かせください。
最初はPRではなく、昨年の秋ごろ、文化放送のラジオ番組「ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB」で、パーソナリティの田村淳さんが弊社の商品をたまたま取り上げてくださったことがきっかけでした。それまでは正直なところ、PRの手法としてラジオにまったくフォーカスしてこなかったのですが、淳さんがブレインスリープ ピローを気に入ってくださって、オススメされていたことから大きな反響があったんです。その結果により「ラジオでのプロモーションは効果的なのでは」と考え、現在の取り組みを開始するに至りました。
また、ちょうどこの時期に、コロナ禍で在宅率が上がっていたことも大きかったです。ラジオのメリットは“ながら聴取”ができるところにあります。在宅率が上昇して、仕事をしながら、勉強をしながら楽しめるラジオの需要は拡大していましたし、ラジオで広告を出したいと考えるようになりました。
――これまでにスポンサーを務めた番組には、どういったものがあるのでしょうか。
TBSラジオさんだと、「ブレインスリープ presents 川島明のねごと」「アルコ&ピース D.C.GARAGE」「ハライチのターン!」「さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ」「空気階段の踊り場」。ニッポン放送さんだと「マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)」「三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」などの提供を行っていました。また、芸人さんのラジオ以外だと、TOKYO FMさんの特番「ブレインスリープ Presents AKB48 ゆうなぁもぎおん 噂の!週末の夜は最高の睡眠」などもスポンサードさせていただきました。
――すごい数の番組ですね…!スポンサーになる番組はどのように選んでいるのでしょうか。
今は、お笑い芸人さんのラジオ番組が多い印象だと思います。というのも、弊社は医療を背景にした製品開発を行っているので、ラジオでそのままPRしたとしても真面目すぎる内容になり、リスナーさんとの距離ができてしまうのではないかという懸念がありました。
いかにかみ砕いて距離感を縮められるかを考えた時に、医療とはまったく異なる領域でユニークな個性を発揮する芸人さんたちのラジオが最適なのではないかという結論に至りました。でも、お笑い芸人さんのラジオだけしかやらないということはなく、常に新たなジャンルとの掛け合わせは探しております。
――お笑い芸人さんのラジオ番組に注力しているということもあってか、深夜番組へのスポンサードが多いですよね。
「深夜ラジオと睡眠で矛盾しているんじゃないか」という意見もTwitterでいくつか拝見しましたが、我々は矛盾と考えてはおりません。むしろ夜更かししている方々に、睡眠の大切さを伝えるチャンスだと考えていて、逆に面白いと思っています。それに今はリアルタイムではなく、タイムフリーで通勤中とかに聴かれる方も増えているので、そこまで「深夜だから…」という意識はないです。
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