川栄李奈のマイルール「自分が楽しいと思うものをやる」頑張れる“原動力”を明かす<インタビュー>

川栄李奈 撮影:永田正雄

初めての経験…座りながらアフレコ


――まずは、脚本を読んだ感想から聞かせてください。

すごく現代の若い子に刺さる内容だと思いました。本当の自分を隠しながら、言われたとおりに生きている友也や、学校でいじめられているあおいの悩みって、形は違えどみんな持っている悩みなんじゃないかなと思って、すごくリアルでメッセージ性が強いなって。私は幽霊の少女の役ですが、これを見てくださる方の背中を少しでも押せたらいいなと思いました。

――役に対する印象や演じる上で苦労したことを教えてください。

監督が絢音についていろいろ教えてくださったんですけど、本当に普通の女の子なんです。ただ、幽霊だけどすごくかわいらしい女の子という役柄が自分の中では難しかったので、監督が参考素材として、ご自身のアフレコで仮の声を入れてくださっていたことは、テンション感を知る上ですごく分かりやすかったです。

あとは、全体を通して力を抜いてほしいということを監督がお話されていたんですけど、私は語尾を上げてしまうくせがあるみたいで、語尾を上げないようにするのが大変でした(笑)。

――アフレコ現場で印象に残っていることはありますか?

普通アフレコは立って行うんですけど、椅子に座りながら収録したのは初めての経験だったので印象深かったです。今まではおなかから声を出してくださいと言われることが多かったんですけど、監督からはもっとボソボソ話すリアルな感じで演じてほしいと言われたので、これまでとは真逆な感じがして、しかもリラックスするために椅子に座るように指示されたので、新鮮だなと思いました。

――監督の印象はいかがでしたか?

監督の描く絵はすごく繊細ではかないイメージがあるんですけど、まさにその絵を描かれている方なんだろうなという感じでした。オーラがすごく温かくて包まれている感じがする方だなという印象が強かったですね。

――作品の中で出てくるゴーストとはいったいどんな存在だと感じましたか?

絢音を通して改めて生きていることに気付かされるというか、そのゴーストを通して自分が一歩踏み出せるような作品になっているので、今回の絢音というのは自分の生き写しじゃないですけど、それを見て自分が強く生きなきゃとか、それを通して勇気をもらえる存在になっているのかなと思いました。

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