撮影は、2020年春の緊急事態宣言が開けた直後に行われた。阪元監督は「世間がピリピリしていた中で、物づくりをみんなで、俳優さんたちとやれている、お芝居を撮れているというところが、一番うれしかった」と、福士は「スタッフさん含めてみんなうずうずしていたと思うんですよ、ずっと家にいて。それが開けて、ガイドラインを守りつつですけど、いいよなぁという感じが、物を作るのがみんな好きなんだなと感じた現場でしたね」と振り返った。
また、阪元監督は「大作すぎるとシリーズありきだったりとか、そういうのがあると思うんですけど、『ある用務員』はそこではない魅力というか、本当にどうなるか分からないし、脚本が自由なので。学校に殺し屋みんなが来て、用務員が女の子を守って闘うみたいな、正直“中学生の妄想”みたいな話じゃないですか。それを一本の映画として成立させる。アクションには企画が大事だと思っていて、そこを練らないとアクション好きの人だけにしか見てもらえないので、それをちゃんと考えて、広まってもらえたらなと思っています」と語る。
「日本ではなかなか土壌のないアクションの映画で、オリジナル企画、しかも渋い方のアクションというか、いろんな殺し屋も出てくるし、唯と深見の奇妙な関係とかもあり、深見と真島の一筋縄ではいかない人間模様などもラストに集約されているという、本当にこういう映画はなかなか見られないと思うので、そこを入口にして、いろんなアクション映画に触れていただいて、アクション映画が活性化していけば…僕がうれしいので(笑)」とアクション映画への思いを明かした。
一方、福士は「いっぱい闘っていて、銃アクションやナイフアクション、元プロレスラーのような人だったり、暗殺者のジャンルというのをDVDで見てもらえたらいいなと思います。みんな殺しに来ているという一貫性を持っているのですが、殺し屋によって僕の闘い方が変わる。そういうところを何度も見られるのはDVDならではなので。手数がいっぱいあった後にプロレスラーに投げられるとか、銃はちょっといいなとかね…肉弾戦が一番疲れるので(笑)」と、自身の撮影での苦労を告白しつつ、見どころを紹介。
「サブスクなどでも見られる時代ですが、『アクション映画で何好き?』という話題で『ある用務員って知ってる?』『え? 知らないの? 面白いよ』みたいな、コソコソ自慢ができる作品だと思います。アクション映画の話になったときに、この作品を思い出してくれたらいいなと思いますので、ぜひぜひ一家に一本、買っていただけたらうれしいなと思います」と、DVDをアピールした。
※高石あかりの高は正しくは高「はしご」
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