今、なにかと“昆虫”が話題。昆虫本も売れ、バラエティ番組でも昆虫の特集が組まれたり、昆虫への思いを明かす俳優やタレントも続出している。
そんな今、注目を集めているのが、「三度の飯より虫が好き!!」と公言するイケメン昆虫ハンター・牧田習。「アウト×デラックス」「クイズ99人の壁」「それって!?実際どうなの課」などテレビ番組にも多数出演し注目を浴び、今年1月にはNHKプロデューサーの目に留まり「ダーウィンが来た!」にも出演を果たした。
幼少期から昆虫が好きすぎて昆虫採集に明け暮れ、ついには昆虫のために地元・兵庫から北海道大学へ進学。その後、東京大学大学院(農学生命科学研究科)に進み、現在は大英博物館やオックスフォード大学など海外の研究者と協同で昆虫研究を行い、新種を発表し続ける牧田習が、虫たちの知られざる生態を面白おかしく解説する連載がスタート。第2回は、人気アニメ「鬼滅の刃」のキャラクター・胡蝶しのぶのモチーフになったともいわれる美しい蝶「アサギマダラ」の生態に迫る。
大ヒットアニメ「鬼滅の刃」の蟲柱こと胡蝶しのぶの蝶屋敷で栗花落カナヲの周りを飛ぶチョウはアサギマダラではないかと言われています。それほどに美しいこのアサギマダラですが、このチョウはなんと、季節によって大移動をし、棲む場所を変えているんです。
暖かい場所が大好きで、春から夏にかけて日本全国で気温が上がってくると、フィリピンや台湾、沖縄などの暖かい地域から日本本土に向かって2000km以上も飛んできます。そして、卵を産み、幼虫が育ち、夏の終わりから秋にかけて成虫のチョウになります。
しかし、秋になり涼しくなると、アサギマダラたちは南の暖かい地域に飛んでいきます。暖かい所が本当に好きなんですね!
でも、人間よりもずいぶん小さなチョウが本当にこんなに長い距離を飛ぶことができるのでしょうか?この謎を解き明かすべく、実験をしてみました!
夏から秋にかけて東京にいたアサギマダラの羽に数字や文字などでマークをつけて放します。すると数日から数週間後に、ナント台湾で同じマークがついたアサギマダラが見つかったのです‼
2000km以上の距離を飛んでいたんですよね!アサギマダラは本当に小さな旅人だったんです。でも、もしかするとアサギマダラにはもっとすごい旅人としてのパワーが秘められていると僕は信じていて、いつかは3000km以上飛んでいる姿を見られることを夢見ています!
今の時期には日本各地でアサギマダラを見られるので、もし見つけたら「長旅ご苦労様」と優しく見守ってあげてくださいね。
【今回紹介した昆虫】
正式名称:アサギマダラ
(通称名:チェストナッツタイガーバタフライ)
体長:羽を広げた時は10cm程
色:前羽は黒と白、後羽は赤茶、白、黒
生息地:野草の花が多い場所など
特徴:長距離を旅することができる。
(性別オス・メス)
オスとメスの見分け方:オスは後羽に黒い模様があるが、メスにはない。
見つけやすい天候:晴れの日にはよく飛び花を訪れる。
よく見つけられる時期:本州では夏から秋にかけて見られるが、南西諸島では冬から春にかけて見られる。
【プロフィール】
まきた・しゅう=1996年10月14日生まれ、兵庫県宝塚市出身。O型。幼少期から昆虫が好きで、高校時代には学会(日本甲虫学会、日本昆虫学会)に参加する。現在では海外の研究者と協同で昆虫研究を進め、新種を発表するなどして昆虫研究家として活躍している。特技は三線で、宮古民謡コンクール、八重山古典民謡コンクールに出場経験あり。
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