元宝塚トップ娘役・真彩希帆、宝塚卒業後も「夢が見られる作品に関わることが理想です」

「ドン・ジュアン」に出演中の真彩希帆撮影:田形千紘

退団したからといって私自身ががらっと変わることもない


来年の出演作品も続々と決定しているが、出演作品については、必ず真彩自身で決めている。

「自分が出て歌う作品というより、相手役の方と共演することでどんな変化が生まれるんだろうという観点で作品を選ぶことが多いです。もちろん演出家の先生や、歌の先生が私にしかできない作品だと熱望してくださるものは、なるべく出演したいと思っています。退団しても悲劇や喜劇関係なく、美しさや夢の世界がある作品がいいですね」

舞台のみならず、最近では声の仕事にも興味があると話す真彩。

「もちろんザ・ミュージカル的な作品にも興味ありますが、ラジオドラマやナレーションのお仕事をさせていただいて、ますます声を使うお仕事にも興味が出てきていて。将来的にもっと年齢を重ねて、声のお仕事がメインになるのが理想です」

舞台女優以外にも興味がある真彩だが、今後の展望を聞いてみた。

「新妻聖子さんみたいな舞台女優さんになりたいと思ったきっかけの作品が『マリー・アントワネット』だったのですが、子供心ながら、すごい方がいるって衝撃的で。記憶に一生残っている作品です。私自身も、自分の舞台で子供たちがミュージカルの世界を目指したいと思ってくれることが夢です。いろんな作品がありますし、全てが夢の世界というわけではありませんが、舞台の世界ってデフォルメされている部分も多く、表現が必ずしも直接的ではないので、やはり舞台での美しさを追求した作品がいいなと思います。退団した今でも、宝塚のような夢の世界を追ってしまう自分がいますし、退団したからといって私自身ががらっと変わることもないので、これからも夢が見られる作品に関わることが理想です」

退団した今、もう少し自分の考えや、自分自身を大事にしようと思っていると話す真彩。人に頼ること、人に甘える大切さを宝塚で学んだことで、退団後の新たな挑戦に踏み出せると語る彼女の次の挑戦は?

「アクロバットや殺陣にも挑戦中なのですが、死ぬまでにどうしてもバク転ができるようなりたい!」

取材・文=栗山春香

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