ビスケットブラザーズが語る“同期”霜降り明星への思い「実は同期愛がめちゃくちゃ強い」

ビスケットブラザーズ(きん 、原田泰雅)※提供写真

このほど行われた「第51回 NHK上方漫才コンテスト」で優勝を果たしたお笑いコンビ・ビスケットブラザーズ(きん 、原田泰雅)。2011年にコンビ名「暴れ人」として結成した彼らは、これまでタイトルにはあと一歩手が届かない日々が続いたが、昨年の「第9回 ytv漫才新人賞決定戦」に続き、2年連続で関西の賞レースを制した。原田は「これからは全国にどんどん 乗り出して戦っていきたい」と意気込み、きんは同期の霜降り明星について「同期愛がめちゃくちゃ強い」と語るとともに「いつかは対等になってお互いの番組に呼んだり、呼ばれたりしたい」と願望を口にした。

「これからは全国にどんどん乗り出して戦っていきたい」


――まずは「第51回 NHK上方漫才コンテスト」優勝おめでとうございました。

きん:めちゃくちゃうれしかったです。同時に、NHKで賞を取れたことにめちゃくちゃびっくりしました。

原田:NHKには一生出れないものだと思ってましたからね。

きん:賞を獲ったからには、NHKさんも多少は僕らを出さざるを得ないはずですし、今からどんな番組に呼んでくれるのかワクワクしています(笑)。

――これで、昨年の「第9回ytv漫才新人賞決定戦」優勝に続き、2年連続得で関西の主要な賞レースを制することになりましたね。

きん:優勝と2位の差が大きいことはわかっているので、獲得できて本当によかったです。

原田:「ytv」も「NHK」も1本目は4足歩行のキャラが出てくるネタで、2本目はキャバクラのネタでした。この4足歩行+キャバクラの化学反応が、2つの賞レースで優勝できた決め手だったのかなと。

きん:あの2つのネタには、お客さんの気持ちを掴む何かがあるのかもしれないですね。僕らの勝利の方程式になりそうです。

――次の目標はやはり「M-1」「キングオブコント」など全国の賞レースでしょうか。

原田:そうですね。僕らももうコンビ結成11年目。出場資格としてコンビ結成10年目以下の縛りがある関西の賞レースでやれることはもう何もありません。今回、満足のいく形で関西の賞レースを終えられたので、これからは全国にどんどん乗り出して戦っていきたいです。

きん:僕ら「ABCお笑いグランプリ」の決勝にも2回出させていただいているんですけど、その時期って「キングオブコント」とめちゃめちゃ近いんですね。2つの賞レースを並行して戦う中で、ネタを2つ用意したりと大変でしたが、これからは「キングオブコント」にだけ照準を絞れて、やりやすくなるかもしれません。

コンビ結成の理由「最初から目をつけてたみたいに言ってますけど…」


――ここからはお二人のパーソナルな部分を伺えればと思います。そもそも、芸人になろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

きん:僕は小学校の頃クラスに一人はいるお調子者タイプで、その延長でここまで来ました。

原田:はじめに「ビックになりたい」「有名になりたい」という気持ちがあって、どうしたらそうなれるかとなった時に、お笑いが一番何でもありの競技だと考えたんです。だから、もともとお笑いが好きというわけじゃなく、道場破りのような自分を試す感覚でこの世界に入りました。

――コンビを結成した経緯をお聞かせください。

きん:大阪NSCの面接の日、香川から出てきた僕と同じようにほかの受験者もみんなソワソワしてたんですけど、原田はNSCの外にあるゲームセンターの前で三角座りしながらタピオカジュースを飲んでました。その時に「変わった人がいるな」と気になり、クラスがたまたま一緒になったから、声を掛けたという感じです。

原田:でも、きんちゃんには気になっていたやつがもう一人いて、そいつも眉毛がめっちゃ太かったんですよ。当時のきんちゃんは田舎のヤンキーみたいに眉毛が細くて、きっと周りの友だちも眉毛が細かったはず。だから、最初から目をつけてたみたいに言ってますけど、単純に僕の太い眉毛が物珍しくて、おもろかっただけなんだと思います(笑)。

――その後、大阪NSCを卒業して、2011年から活動しているわけですが、同期で意識しているコンビはいますか。

原田:ダントツでマユリカですね。

きん:僕たちとマユリカは、同期からは「面白い」と言われるのに、目に見える結果をなかなか出せなかった、似た境遇のコンビなんですよ。

原田:僕らとマユリカZAZYで「結果出てないーず」とふざけていた時期があるんですけど、ZAZYは本名の赤井俊之から今の芸名に変えて、金髪&ホットパンツのスタイルにした瞬間にバコーンと売れた。残った結果出てないーずの中で、マユリカはどんどん劇場で注目されるようになって、僕たちよりもずっと一歩先を進んでいるイメージなんですよね。そんな背景もあるから、“同期”という感じがエグイです。今後もずっと一緒におるんやろうなという気がします。

実は同期愛が強い霜降り明星「めっちゃ世話になってます」


――お二人は世代としては第7世代に該当しますが、“第7世代感”があまりありませんよね。

原田:世代的には完全にど真ん中なんですけどね。僕らは霜降り明星と同期で、学年的にも1つしか違いません。条件を完璧に満たしていると言っても過言じゃないのに、第7世代で何かするときにはあんまり声がかからなくて…もうブチ切れてます!(笑)。

きん:「第7世代、集まれ~!」の時は呼ばれないんですよ。けど、僕らが「キングオブコント」で勝ち進んだ時には「新たな第7世代が…」と言われるんです。

原田:もしも第7世代ブームが完全に終わって、注目されなくなった瞬間、僕らも注目されなくなる。でも、第7世代が注目されている今、僕らは注目されていない…。美味しいところは何もないけど消える時には一緒に消えるっていう、もしかしたら、最悪の飼い殺し状態かもしれません(笑)。

きん:とはいえ、実際は色々呼んでもらってますけどね。特に霜降りにはめっちゃ世話になってます。直接番組に呼んでもらったこともありますし。霜降りって実は、同期愛がめちゃくちゃ強いんですよ。先に結果が出ているので、僕たちは彼らに甘え切っている状況なんですけど、いつかは対等になってお互いの番組に呼んだり、呼ばれたりしたいですね。

――今後、東京進出の野望はありますか。

原田:どうですかね~。東京って活躍の場がめっちゃ広いじゃないですか。たとえば、賞レース前に「誰々のネタって仕上がってるの?」と聞いたとしても、東京の人だと「見てない」と返されることもあるんです。でも、大阪だとそういうことが本当にない。劇場などでずっと同期や後輩、先輩たちと一緒ですし、切磋琢磨してレベルアップできる環境があるんです。

きん:だから、大阪でやることがないくらいマッスルボディに仕上がったら、東京へ行くかもしれないですけど、「東京で鍛える」というのはなかなかイメージがつきません。大阪で鍛えられることがまだまだたくさんあると思っています。

原田:正直、ビビってます。東京で生き残れなかったら嫌なので、大阪にいたいです(笑)。