――YouTubeでの訓練がテレビや舞台で生かされることはありますか?
岡部:YouTubeでクロマキーのコントをやっていた頃に出た「ネタパレ」(毎週金曜夜11:40-0:10、フジテレビ系)で、客入れができなかったんです。周りの芸人は「どうしたらいいんだ」って結構苦戦していたみたいなんですけど、僕らはちょうどクロマキーを使ったバーチャルネタを持っていたのですんなり入れた、という時期がありました。
――無観客の舞台にも言えますが、YouTubeではお客さんの笑い声がない中で収録しますよね。空気を作るのが難しそうだなと感じます。
岡部:お客さんがいたらここまでは取れないぞ、ってくらいの間が取れちゃうんですよね。それこそ#17「インタビュー」とか#96「すごく優しいのにシフトの話の時 恐い店長」とかのネタはたまらなかったですね。本来であればやりたいくらいの間が取れるので。
――お客さんがいるとちょっと怖くなっちゃうくらいの。
岡部:怖くなります(笑)。お客さんもさすがについてこないくらいの間とかになっちゃうんです。けど、それがよりリアルというか。
秋山:DVDだと「Zoomなかなか退出しない上司」と#91の「ガガーリン」とかもそういう感じがありますね。満足いくまで気まずい空気にできる(笑)。
――普段はお客さんの笑い声でネタの出来栄えを感じたりすると思うんですが、YouTubeではコメント欄や、グッド・バッドの数で判断するんですか?
秋山:グッド・バッドはあまり気にしていませんでした。再生回数ですかね。再生回数が多いと「刺さったのかな」と思っていましたけど、でもまあ分からないですね。読めない。「これはいいぞ」と思って出してもあまり再生されなかったりするし、まだまだ知らないことが多いです。
――菊田さんはいかがですか?
菊田:再生回数はたまに見ていましたけど、「なんで伸びないんだろうな?」っていうのはやっぱりありましたね。「これ面白かったのにな」とか。
秋山:DVDではシリーズの3作目が入っている「ASMR」は、そもそも最初に評判が良かったから#3まで撮ったんですよ。グッドの数も2、30万行っていたし、自分たちにとっても面白かったんです。だから「これだ!」と思って、この「佐々木たけし」というキャラをこすろうということで2、3、4、途中に「メントスコーラ」っていうのも入って5作くらい撮ったんです。
でも、視聴者がそんなについてきてなかった(笑)。それでやめて「別撮ろう、気に入っているのは僕らだけだぞ」って(笑)。
岡部:あれ? これが伸びるんじゃないの?って(笑)。
秋山:そうやって毎回、手応えを試していました。「これか? これじゃないか?」みたいな。
岡部:#59「待ちわびた反抗期」とかは一気に伸びたんですが、いまだに何が良かったのかは謎のままですね。「仕事中に1億円当たった人」とかも早めに伸びたけど、「なんでだろう?」って思っている(笑)。
秋山:小さいデータをいっぱい経験値として持っておくしかないですね。
岡部:気にはしているんですけど、結果をフィードバックできないというか、結果から分析できてはいないです。
秋山:YouTubeが難しいことは分かっていて始めたので、再生されないからやめようとはならないですけど、見つけたい、とは思いますね。