「少女」佐藤玲『性格が悪いなあと思いながら演じていた気がします(笑)』

2017/04/05 09:00 配信

映画 インタビュー

4月5日にリリースされた映画「少女」のBlu-ray&DVDについて語る佐藤玲


――では、本田さんと山本さんのそれぞれの印象を教えてください。

本田さんは役のキャラクターもあったと思うのですが、現場では常に役の由紀として集中されていた印象でした。監督ともよくお話されていましたね。私は山本さんとの共演シーンの方が多かったので、現場では山本さんとふざけ合っていることが多かったです。

そういえば、山本さんが私に“壁ドン”している写真をInstagramに載せたらネットニュースになっちゃったこともありました(笑)。その他にも現場でたくさんお話をさせていただきました。

――撮影できつかったところはどのシーンでしょうか?

水中のイメージカットが何シーンかありましたが、そこは大変でした。私、泳ぐのが苦手というか水が怖いんです。でも、監督との面談のとき「水に入るけど、泳げる?」って聞かれて、「はい。大丈夫です! 泳げます!」って言ってしまったので、いざ入る時に怖いと言えなくて(笑)。

でも、ダイビングスクールで何度か練習をさせていただいたので、大分マシになりました。DVDの特典映像にも入っていると思うんですけど、本番ではプールのせり出した台から後ろ向きに落ちて、そのまま5mくらい引っ張られるというシーンを何度も撮ったので、ある意味命懸けのような撮影で大変でした。とても貴重な経験ができました。

――死への好奇心を持つ女子高校生のお話でもありますが、佐藤さんは好奇心旺盛ですか?

好奇心は強い方ですね。知らなかったことはすぐ調べますし、人に聞きますし、自分が納得いかないことはすぐ調べちゃうかもしれないです。舞台なり映画なり、ちょっとでも興味があれば遠くでしか見られなかったとしても1人で見に行くこともありますね。好きなことに対してだけは行動力がある方です。

――では、今興味を持って調べたいことは?

ご飯を食べるのが好きで、自分が食べたいものを作ることが好きなんです。そのために料理教室に通おうと思って、いい所がないかいろいろ調べています。料理を覚えたいのもそうですが、基本的には自分が食べるために習いたいなと(笑)。

――最近うまくいった料理は何かありますか?

うまくいったのは、友人が来てパーティーをしたとき、「ワタリガニのトマトクリームパスタ」を大量に作ったんです。それは祖母や親戚のおばさんが、みんなで集まったときに作ってくれることが多いので、食べているうちにこうやって作るんだなあと覚えました。私も他人に料理を出すときはそれを一番多く作っていると思います。

――人生でなかなか出合わないタイトルの料理ですね…(笑)。

えー! そうですかね(笑)。うちは、みんな食べるのが好きなので…。

――なるほど。カニと言えばワタリガニだぞ!と。

はい…あれ? ワタリガニじゃなかったかなあ(笑)。小さいやつですよ? 大きいカニじゃなくて。そのカニを半分に割って、トマトとクリームで煮込んで、はいどうぞ!って感じで。いえ、もういいです…すみません(笑)。

――DVD化ということですが、DVD自体はご覧になることありますか?

はい、レンタルが多いのですが割と毎日見ていますよ。自分が出た作品も見ます。できるだけ映画館に行きたいと思っているんですけど、なかなか行けなくて見られなかったものとか、日本で上映していないものはレンタルビデオ屋さんで借りたり、買ったり、映画好きの友達に借りたりして見ています。

――特にお薦めのものはありますか?

最近ではないんですけど、私が一番好きな映画はフランソワ・オゾン監督の「スイミング・プール」(2003年)というフランスの映画なんです。オゾン監督の映画は日本でもたくさん上映されていますし、いろいろなテイストの映画がありますが、この作品は「少女」ともリンクしているのですが、最後まで見たら何か考えさせられるところがあるんですよ。

終わってから「あれ?」と余韻を持つような作品で、何度見ても答えが出ない映画ですね。誰かに「何が面白い?」と聞かれたら必ずこの作品を言おうって決めているくらい、私にとって大きな作品ですね。

――では、あらためて「少女」の見どころを教えてください。

死とは何かというのを考える作品なのだと思いますが、死が何かというより、むしろ逆で生きるとは何かということを考える作品なのかもしれません。

女子高校生に限定するのではなく、自分が若かったころや、現代の若い世代がどういうことで悩んでいるのかに焦点が当たっていると思うので、見終わった後、自分のときはどうだったかなということとか、今の若い子たちはどういうことで悩んでいるんだろうって考えてほしいです。

そうすれば、話は大きくなりますが、もうちょっと思いやりのある社会になるのではないかなと個人的には思っています。みんな最近イライラしているから、もうちょっと人に優しくしましょうよ…と。そういうこともこの映画を見れば考えられるかもしれません。