坂東龍汰、初恋の相手は小学校の転校生!「当時の僕はいたずら大好きのクソガキでした」【連載:坂東龍汰の推しごとパパラッチ #4】(後編)

クラスの中心的人物の紗羽(武山瑠香) 撮影=坂東龍汰

――演じるノジは、クラスの中心的存在に感じるのですが?

クラスの中心は、紗羽(武山)だと思います。紗羽は女子のカースト上位のキャラクターですが、ノジもそこに負けないぐらい、みんなを盛り上げようとする性格で、みんなが集まると紗羽とノジがわちゃわちゃと騒ぐ。ノジは一見おバカでうるさいイメージだと思いますが、恋愛になるといきなり奥手になって、何にもできなくなる。

そういうギャップがありつつ、ライク(窪塚愛流)と2人の時は男の子同志のじゃれ合う顔も見せるので、リアルな僕の私生活と似ているなと思います。マネジャーさんと話す時と、親と話す時はもちろん違いますし、親友と話す時もまた全然違う。

人によって態度を変えているわけじゃないですけど、おのずと変わるじゃないですか? 核となる部分は同じだけとアウトプットは変わる。今回のドラマは撮影が長いので、そういう人間の多面的な部分が出せるのがうれしいですね。

――今回の作品の面白いところは?

みんな(生徒役の女の子たち)初ドラマなので、初めて芝居をする人の演技って、こんなに予想できないんだ!と感じて面白いです。「このせりふ、こんなふうに言うの!?」というような、信じられないアプローチをしてきたりするので。しかもお芝居が初めての子たちが物語の核を担っているんですから、絶対に面白くなっていると思います。

――彼女たちを見ていて、自分の新人時代を思い出しました?

思い出しました! 初主演したNHKの「花へんろ特別編 春子の人形〜脚本家・早坂暁がうつくしむ人〜」(2018年)では、当時なりに頑張りましたけど、生まれる感情とそれをアウトプットすることがうまく結びつかなくて。感情と顔と声――役者は“1声、2顔、3姿”というぐらい、声で全てが伝わってしまうので、どんなに顔で表現していても声が違ってしまうと見ている方が違和感を持ってしまう。

だから、感情と声、表情と姿を繋げていく作業が大切なんですけど、うまくいかなくて、とても苦労したんです。だから、当時の僕の姿から何かを少しでも感じ取ってもらえたらと思って、悩んでいた(主演の)飯沼さんにこのDVDを貸したんです。

自然な表情を見せる飯沼愛 撮影=坂東龍汰


――そうなんですね。

そうしたら、1日で「見てきました!」って。「頑張ります! ありがとうございますー」とお礼を言われました。飯沼さんはロバート秋山竜次さんが好きで、かなり“ギャグセン”が高くて面白いんです。本番中は気を張っていますけど、カメラがまわっていない時はふざけたり、とても面白いんですよね。

あと、勘がすごく良くて、引き算のお芝居ができるんです。「春子の人形―」の時の僕にはできなかったことなので、すごいなと思います。今回の舞台は学校だから、つまり日常ですよね。だから、よりナチュラルな芝居が求められるわけですけど、それが自然にできるんです。

――確かに登場シーンでも、ごく普通に歩けていましたものね。カメラの前で普通に歩くのって、実は難しいと思うんですけど。

そうなんです。僕は「春子の人形―」の時、普通に歩けてなかったですから。高げたを履いて、ヘコヘコ歩いてました(笑)。撮影をしていて、その当時のことをすごく思い出しました。自分がああいう状況の時はこんな風に感じていたから、こう声をかけてあげなくちゃとかって。

どこで萎縮するか、どこで自信をなくすか、逆にどうやったら自信が付くか。僕もいろんな人にいろんなことを言われながら、最初の1年はがむしゃらに頑張っていたので、何か伝わったらいいなという思いでいました。

――だから、DVDを貸してあげたりしたんですね。

みんな、すごく向上心が高くて、自分がうまくできていないことに対しての葛藤を抱いていたので。これは後から聞いた話なんですけど、最初のリハーサルの時にした僕のあるお芝居にみんなが衝撃を受けたらしくて、それでみんながいろんなことを僕に聞いてくれたんです。

でも、1週間もしたら、みんな勘が良いから、すぐに僕の助言は必要なくなりましたけど(笑)。なかでも紗羽役の武山ちゃんは勘が良くて、僕の“間”とかをすぐに自分のものにするんですよ。紗羽は女版ノジみたいな感じで、キャラクターが似ているのでね。すごいなーって思いました。