松村北斗「プレッシャーはありました」“朝ドラ”出演の思い<カムカムエヴリバディ>

2021/11/03 08:15 配信

ドラマ

雉真稔役を演じる松村北斗(C)NHK

松村北斗「プレッシャーはありました」


――「カムカムエヴリバディ」に出演することが決まったときのお気持ちは?

やっぱりプレッシャーはありましたね。だからと言って他の作品にプレッシャーがないという意味ではないですし、その作品ごとに独特のプレッシャーがありますが、朝ドラは確立された存在ゆえに特別でした。

いくつかお芝居をやらせていただいて「こういうものなんだな」と思う瞬間もあったんですけど、きっとそれが通用しないんだろうな、朝ドラには朝ドラの世界が存在しているんだろうなと思って、ものすごいビビりながら新幹線に乗って大阪へ向かいました。

――ご自身の役柄についての印象(ご自身との共通点・異なる点など)は?演じるうえで楽しみにしていること、役のここに注目してほしいという点は?

稔は長男で僕自身は次男だったというのが実は自分の中で大きな違いでした。

カムカムエヴリバディ」は稔が長男だということが大切な作品ですが、僕は26年間「弟」としてしか生きてきていないので、それがすごく邪魔になるだろうなと感じていました。

妹や弟がいないので、弟を愛(め)でるという感覚を味わったことが実はないんです。自分が兄として慕われることもないですし。そこが、大きな違いかなと思います。長男役は完全に空想の世界でした。

稔と僕自身の似てるかなと思う部分もあるんですよ。きっと稔自身は、自分にはある程度「あそび」というか、緩やかさもあると思っているんだろうけれど、周りからはすごくしっかりしているように見られているし、「真面目だね」「頼りになるね」と言われてその言葉に押し流されるしかない瞬間も多いのかなと思うんです。

僕もすごく派手な性格というよりは、「大人しそうだね」「物静かそうだね」と言われるんですが、自分の中ではそうではないので本当はもっと声をあげたいし、「普通にふざけるんだぞ」という想いもあって。

だけど、しっかり者でいなきゃいけないのかなと思う瞬間もあったりします。その苦しさは、少し似ているかなと思います。

――収録に参加されてみて、現場の印象は?

今までいくつか経験させていただいた現場とは、全然違うなと思いました。改めて感じるような強烈さというか、強い説得力を感じる現場でしたね。

その空気に飲み込まれそうになったり、なんとか耐えたり…。

単純に1話が15分と短いじゃないですか。台本にいろんなものが詰め込まれていて、僕ら役者もそこにいろんなものを詰め込まなくちゃいけないんです。

ガツガツ表現していくことも必要な現場で、僕はちょっとのろまだったかなと思うほどです。

――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

カムカムエヴリバディ」は三世代の物語になっている分、1話1話が凝縮されているので、1話でぜいたくに物語を吸収したような気持ちになれるのではないかなと思います。

いろんなことがめまぐるしく進んで、どんどん状況が変わっていくとてもエンターテインメント性を感じるドラマです。とにかく1話の食べごたえがすごいんですよね。キュンキュンするシーンもたくさんあるなと思いました。

毎朝爽やかな内容というわけではないですが、朝「カムカムエヴリバディ」を観たら、その1日、自分の人生がドラマチックに感じるだろうなと思うくらいドラマチックです!