――加藤美佐江役についての印象を教えてください。
真面目で、今まで国語教師を生きがいに一生懸命やってきた方という印象です。生活もたぶん、慎ましく質素な生活を心がけていた先生で、恋愛も全然していない。きっと今までの人生もそんなにモテてはいないんだろうなと思いました。自分でも女性としてはマイナスを感じていて、だからこそ国語教師を生きがいにしていたのかなと。
――この役が来た時の感想は?
今までは自分のイメージなのか、明るくて面白い性格か、ハキハキした人の役をいただくことが多かったんです。今回の加藤先生のような真面目な役はほとんどがやったことがなく、初めての挑戦という感じがして、難しいと思いつつも楽しみな部分もありました。しかも..自分にまさかこういう役が回ってくるなんて思ってもみなかったです。
――加藤先生の告白で、菊玲学園が大騒ぎとなります。
真面目な性格ゆえに、受け止める心も真面目だったのかなと思いました。もちろん世間体は考えたと思います。でも、葛藤もありつつ、大人なのに歯止めが利かなかったという部分が、「人生」って感じですよね。恋愛ってやっぱりいろいろと狂わすほどのものがあると思います。でもきっと加藤先生は、自分を女として見てくれたことが嬉しかった。その部分にはとても共感できました。
――相手役の生徒とのシーンはいかがでしたか?
実は特に何も話をしないままリハーサルに入ったので、逆にドキドキしてしまって。リハーサルで何かを得ようとしている自分もいました。でも、彼はすごく大人で優しそうというのは伝わってきて、きっとあちらのほうが(役者として)先輩だなという気がしました(笑)。
――最後にメッセージをお願いします。
世間体を気にして生きる幅が狭まるよりは、私はその時にしかできないことを大切にしながら生きた方が、人生楽しいと思うんです。
もちろん、加藤先生のような出来事は本人にしか分からない感情があるとは思います。でも、加藤先生もきっといろいろな葛藤がありながらも愛情を持ってその人のために決断したことであって、いい人生になるための選択だと思うんです。
今、考えの幅が狭い人が多いような気がしていて。でも、時には自分の感情に身を任せることもきっと素敵な人生だと思うので、観てくださった方に何かを感じてもらえたらいいなと思いました。
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