<カムカムエヴリバディ>“安子の祖母”鷲尾真知子、役作りは“おしるこ”から「こんなに柔らかい甘さのあんこを作れる女性なんだなあと」

2021/11/06 08:15 配信

ドラマ

橘ひさ(鷲尾真知子)(C)NHK

鷲尾真知子 インタビュー


――「カムカムエヴリバディ」に出演することが決まったときのお気持ちは?

久しぶりの“朝ドラ”出演になりますが、やっぱり“朝ドラ”はみなさんがすごく楽しみにしてくださる番組なので、「よかったー!」という高揚感がものすごくありました。

ヒロインの安子ちゃんは、ちょうど私の母と同じ年の生まれなんです。私はそんな母や祖母からまさにこの「カムカムエヴリバディ」の時代の話を聞いて育ちました。私は終戦の4年後に生まれたので、るいちゃんよりも5歳年下です。生で聞いてきた話とすごくリンクしていて、とても身近なものに感じたのがこの台本を最初に読んだときの第一印象でした。きっと同じように感じられる視聴者のかたも多いと思います。

――ご自身の役柄についての印象は?

おしるこをつくってみなさんにふるまうシーンを撮影したときに「ああ、なんて優しい味だろう」と感動したんです。ひささんって、こんなに柔らかい甘さのあんこを作れる女性なんだなあと感じました。もしかしたら私の役作りが間違ってた…⁉ と少し反省するほど、優しい味だったんです。「こんなに優しいおしるこをつくるおばあちゃん。あれ? 私ちょっと…はじけすぎたかな」って(笑)。長い間役者をやっていますが、こんな経験は初めてかなあ。食べ物の味から役作りってあるんだなと感じた、初めての瞬間でしたね。

――収録に参加されてみて、現場の印象は?

現場の雰囲気は、放送をご覧になったらわかると思いますが、橘家の様子そのままです。ひとりひとり自分の持っているベーシックな人間性をそのままキャラクターの中に出してきているんです。まさに西田(尚美)さんは小しずさんだし、萌音ちゃんは安子だし、おじいちゃんは大和田(伸也)さん、甲本(雅裕)さんは金太、濱田(岳)さんの算太もね。それくらい「作りもの」じゃない感じです。役者は「作る」のが仕事ですが、核の部分はプライベートな萌音ちゃんであり、西田さんであり…という感覚ですね。

――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

戦争という大きな黒い雲がかかってきてみんなの生活が変わっていく前の本当に幸せな時間を、個人プレーではなく家族というチームプレーで出せたらいいなと、最初に台本をいただいたときから思っていました。これから先、安子がつらくなるシーンもあると思います。それでも、安子は生きていかなくちゃいけないんですよね。ドラマが始まり、幸せな数週間をチームプレーで届けられたらいいなと思います。ご覧になってくださるみなさんにも、その時間を楽しんでいただければなによりです。