「大助様にはその権限が与えられておりません」 ヒュスク
(「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」第5話より)
ヒュスクは、大助のどんな問いかけや指示にも応える忠実なAI執事なんですが、第5話で毒ガス発生装置の解除方法を聞かれたときに、初めてこのセリフを言います。今まで大助の言うことには何でも従ってきたヒュスクから、急に大助を否定するような言葉が出てきたので、「なんでここで?」と驚きました。
この少し前に「自分は神戸家の跡を継がない」みたいな話をしていたので、「跡を継ぐにはまだ大助に足りないものがあって、だからヒュスクにも答えてもらえないことがあるのかな?」とか、いろいろ考えてたんですね。そしたら、この後もたびたびヒュスクが「お答えできません」とか「あなたにはその権限がありません」って言うシーンがあって…実は、最後まで意味があるセリフだったんです。
第5話で大助が初めてヒュスクに命令を拒否されて以降、後半では神戸家の謎が明らかになっていく展開になるんですけど、そこで大助が現対本部にやってきたのは「自分の母親が死んだ事件の真相を解明する」という理由があったのだと分かります。そして、ヒュスクが回答を拒否していたのは、すべて神戸家が隠してきたことに関係してる質問だったんだ!っていうところに繋がっていくんですね。
このセリフが物語の起承転結における転換点になっていたというか、作品全体を通してこんなにも重要なキーワードだったんだと最後まで見てから改めて振り返ったときに気付いたので、好きというよりは鳥肌が立ったセリフでした。
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