倉科カナが出演する舞台「ガラスの動物園」が、12月12日(日)より東京/日比谷・シアタークリエで開幕、2022年1月に福岡、愛知、大阪で上演される。同作は劇作家テネシー・ウィリアムズによる戯曲で、 1945年にブロードウェイで初演されて以降、世界中で上演され続けている。
作者であるテネシー・ウィリアムズの投影ともいわれる、家族の抑圧と自身の夢との狭間で閉鎖された生活を送る青年トムを岡田将生が演じ、倉科は足が不自由で極度に内向的なトムの姉ローラを演じる。ほか、トムの職場の同僚でローラが思いを寄せるジムに竪山隼太、家族を愛するあまり理想を押しつけてしまうトムとローラの母親に麻実れいが扮する。
「テネシー・ウィリアムズの作品が舞台に触れるきっかけだった」と語る倉科に、役柄を通しての自分自身についてや、演じることの魅力について話を聞いた。
――舞台「ガラスの動物園」への出演が決まった時の思いから聞かせてください。
もともとテネシー・ウィリアムズの作品には興味があって、特に「やけたトタン屋根の猫」という作品が大好きなんです。その作品の舞台を見に行ったんですけど、寺島しのぶさんと北村有起哉さんが演じていらっしゃるのを見て“舞台って面白いな”と思いました。
私にとっては舞台という世界に触れるキッカケとなったのが、テネシー・ウイリアムズの作品だったんです。だから、今回の作品に出演が決まった時は本当に嬉しかったです。
――そのお話はスタッフさんにもされていたんですか?
最近になって「いつかテネシー・ウィルアムズの作品を舞台でやってみたい」という話はしましたが、それから1カ月もしないうちに、このお話をいただけたので「あっ、ご縁だ!」と思って嬉しくて。即答で「やらせていただきたいです」とお返事させていただきました。
今までも古典モノの舞台作品には出演してきましたが、日本の作品が多かったので、海外の戯曲を演じるというのも新しい挑戦だと感じています。
――「ガラスの動物園」で演じるローラには、どんな印象を持ちましたか?
とても心が繊細な女性であるということは原作にも書かれていますが、人の痛みを自分のことのように感じてしまうところは、すごく共感できました。
ローラは、母のアマンダや、兄のトム、どちらの痛みも分かるからこそ抱えきれなくなって取り乱してしまう。それに、自身の足が動きづらいというコンプレックスが、彼女の心を殻に閉じ込めて、さらに追い詰めていると思うんです。母の思い通りに生きれば、母を幸せに出来て、兄にも迷惑を掛けずに済むことは分かっているけれど、自分の殻から抜け出せない葛藤がある。
そんな矛盾の中でどっちに振り切ることも出来ずに懸命に生きているところは、本当にガラス細工のような女性だなと思いました。
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