――ご自身がローラに似ていると感じる部分はありますか?
良くも悪くも人の気持ちを汲み取り過ぎてしまうところとか、自分に自信がないゆえに小さな問題も大きなこととして捉えてしまって、劣等感をもったりコンプレックスに感じてしまうところは共通しているのかなと思います。
あとは、人前でお話することもあまり得意ではなくて、一気に“うわー”ってパニックになってしまうんです(笑)。あがり症という点もローラと共通していますね。そういった点に焦点をあてて出来るだけローラに近づけるように演じられたらと思っています。
――では、ローラと正反対だと感じる部分は?
自分に自信がないとお話したんですけど、一方で少し気が強いところもあって、それは真逆かなと思います。
――ローラの行動に対して「私だったらこうする」と思う場面はありますか?
ローラはタイピングの学校に通っていて、試験のスピード・テストを受けた時に、緊張でパニックになって床に吐いてしまうんです。。
一度行けなくなったら、そこから復帰をするのはキツイですよね。だから最初に自分で“3日〜4日は頑張る”と決める。まずは動くことで少なからずその先も見えてくるのかなと。続けていくことが大切だと考えるようにしているので、そこには私の気の強さが現れているかもしれません(笑)。
――倉科さんはこれまで多くの舞台に立たれていますが、舞台とはどのようなものですか?
私にとってはインプットの場です。映像作品のドラマに出演させていただくことも多くて、どちらも魅力的ではあるんですけど、映像作品は制作時間も限られているので瞬発力を求められる場所なんです。役者、監督、スタッフさんたちが、それまでに培ってきた経験の中で一番良いと思うものを、それぞれに“これはどうですか?”と提示する。そのセッションが魅力的で醍醐味なんですけど、そうやってアウトプットばかりだと枯渇してしまう自分がいるなと。
――舞台だとどのように違うのでしょうか?
舞台の場合はみなさんと一緒に取り組む稽古時間があるので、演出家さんの意図や、表現したい世界、その作品にフィットした表現方法を探すという挑戦が出来るのが魅力ですね。
たとえば照明が変わるタイミングとか、音楽が入るタイミングに合わせて“こっちの表現が合うかな?”と試して、。それと、みなさんのお仕事に対する挑み方を見ることが発見になったりするので、インプットの場であり、トキメキを感じる場になっています。
――ちなみに、トキメキというのは?
役の本心を見つけられたり、新しい表現に出会えた時はトキメきます。それと、自分だけじゃなくて、他の役者さんが演出家さんから指導を受けて、その役者さんが役柄を掴んだ時や、演技の世界が広がるのが近くにいる私たちにも見える瞬間があるんです。
それを感じると「なんてお芝居ってステキなんだろう」と思いますね。そういう、お芝居の花が“パっ”と開く時にときめいちゃうんです。ただ、インプットとか、トキメキとか言っていますけど、実際は大変だし、キツイ時のほうが多いです(笑)。
――だからこそ掴めた時の感動が大きいと。
そうかもしれないです。それと、他の方がステキな芝居をした時は、すごく感動するぶん“次は自分の番だ”と思うと不安ですし、プレッシャーは常にあるので、いつも必死になって取り組んでいます。
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