<上白石萌音>演出家も“うなる”表現力…!悲痛な“号泣”から慈愛に満ちた“母の顔”まで「カムカム」名演7選

2021/11/27 05:30 配信

ドラマ レビュー

天真爛漫だった頃の安子(上白石萌音)「カムカムエヴリバディ」第6回より(C)NHK

“朝ドラ”こと連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)、岡山編のヒロイン・安子はわずか4週間で1925年から1945年の終戦までの20年間を一気に駆け抜けた。安子を演じる上白石萌音は14歳の少女の顔と母になってからの顔、また喜びから哀しみまで、実に豊かに演じている。同作の演出家もうなるほどの表現力を発揮する上白石の“名演7シーン”をフリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が紹介する。“心”に残る場面は人それぞれ。読者の方々も、この機会に自身にとっての“ベストアクト”を考えてみてはいかがだろうか。(以下、一部ネタバレが含まれます)

カムカムエヴリバディ」がはじまった時、こんなにも波乱万丈な展開になるとは思っていなかった視聴者も少なくないのではないだろうか。

第1週では、「大好きな街で大好きな人達と暮らす日々がいつまでも続けばいいと思っていました」とナレーション(城田優)で語られていたような、お菓子とおしゃれと家族さえいればいいというような、純真無垢な少女だった安子。

それが雉真稔(松村北斗)と出会って英語を学ぶようになると、視野をどんどん広げて成長していく。

稔に恋をして、彼を追いかけて岡山から大阪にひとり出かける強さも発揮。身分違いと互いの家族に反対されながらも思いを貫き晴れて結婚し娘・るいも授かる。

けれど稔は戦争で帰らぬ人に……。4週間でものすごく濃密な人生を歩む安子を上白石萌音が圧倒的に豊かな表現力で見せた。

あんこの甘い香りがするような、見ていると自然に笑顔になるような雰囲気、それでいて芯は強い。誰もが好きになってしまう安子を作り上げた上白石萌音のこの4週間のベストアクトを振り返ってみたい。