第20回、稔が戦死したと知った安子は神社で泣き崩れる。
この時の上白石萌音の全身から発する哀しみは、演出の安達もじりが「上白石萌音さんにカメラが近寄りがたいほどの深い悲しみの空気を感じたので、距離をとったところから彼女を見守るような映像の作りになりました」(木俣冬執筆:ヤフーニュース個人「涙が止まらない 朝ドラ〈カムカムエヴリバディ〉がこんなにも哀しい出来事を描く理由」より)と語るほどのものだった。
第19回。戦後、父・金太(甲本雅裕)がお菓子を作ろうと立ち上がり、安子に作り方を伝授する。その時、金太の言葉をひとつひとつ噛みしめるように聞いている表情の真剣さ。
小豆の香りを実感し、ほんとうに小豆の声を聞いているように見える。リアリティーがありながら、鍋を火から素早くあげて台に置いたときの体の向きはちゃんと視聴者の目線も考えられたいい角度になっている。
演劇もやっているから、見せる芝居もよくわかっていることを感じる。
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