BLUE ENCOUNTの田邊駿一「ドラマを見るとき、大事にしているのはキャスト」<ドラマコラム連載第2回>

2021/11/29 09:00 配信

ドラマ 連載

「アバランチ」の綾野剛(C)フジテレビ

綾野剛さんだから成立したドラマ


やはり主演はすごく大事。「アバランチ」(フジテレビ系)なんて綾野さんだから成立したドラマだと思います。キャストが発表されたとき、「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(2017年フジテレビ系)や「BORDER 警視庁捜査一課殺人捜査第4係」(2014年テレビ朝日系)などで影があるワケありの刑事を多く演じている小栗さんが綾野さんの役を演じても成立するのでは?なんて最初は考えたりもしました。でもそれって浅はかなんですよ。綾野さんだから今の羽生になっていて、小栗さんだと全く別人になっていたはず。力強くも憂いがある、けど真っ直ぐな羽生は綾野さんだから作りあげられたもの。キャラクターの面白さはもちろんありますが、誰が演じたかが本当に大事なんだと思います。
 ちなみに綾野さんは、柔らかい役とワイルドな役の両方できる役者さんですが、僕は柔らかい役をやっている綾野さんが一番好きです。というよりも、「空飛ぶ広報室」(2012年TBS系)の空井大祐が大好き。人がいい青年だけど心に傷を負っていて、でも逃げるのではなく今のところでなんとか頑張ろうとする姿を見て、「応援したい!」と思っていました。あれほどのハマり役ってないんじゃないかな。あと「コウノドリ」(2015年ほかTBS系)の鴻鳥先生も良かった。やわらかい表情が最高なんですよ。もちろん綾野さんの映画をはじめとしたワイルド系の作品も見ていますが、僕の中でこれがハマり役というのはまだ見つけられていなくて…。それが、今回の「アバランチ」でひっくり返りました。単なるワイルドというだけでなく、表情からも色々背負っているモノが見えたりして。このまま新しい綾野剛を見せていってほしいです。