——舞台と映像の違いについて、実際に演じてみてどのように感じましたか?
横田:表現方法が違うな、と。舞台では劇場の後方席にいらっしゃるお客さんにも分かるように大きく動かなきゃいけないんですが、映画でそれをやると画角からはずれてしまう。逆に、映像だとちょっとした動きでも伝わる情報が多いので、「動きは大きくせず、表情に出る心の動きは大きくしよう」と意識していました。
陳内:演じる側は人間なので、30公演以上も同じセリフを同じシチュエーションでやってきただけに、(動き方として)染み付いているものがあるんですよ。とくに5人のシーンだと、どうしても舞台(の広さ)の動きになる人がいて「そりゃそうなるよな」と。そういう光景が見られたのは、特殊な経験だと思いましたね。
映像経験の多くない人にその傾向があったので、僕のほうからいろいろとアドバイスをしました。すると、すぐに対応してくれて。対応力と成長能力が、宮崎 湧(瑠璃川幸役)と野口 準(向坂椋役)はすごかった。それもあって、劇場で試写を見て感極まってしまいました。本当にすごいよ、若い子は。
横田:いやぁ、本当にすごい。…ちょっと待ってください、僕も一応若い子の範ちゅうなんですけど。「お前は違うぞ」みたいな感じ、やめてくださいよ!(笑)
陳内:アハハ! 失敬、失敬(笑)。
——そんな試行錯誤を経て、完成作品を見たときの感想はいかがでしたか?
横田:撮影中は一生懸命演じるだけで、全体像がイメージできていない部分があったんですけど、「あのシーンがつながるとこうなるのか」と感動しました。春組の空気感も、最初のギクシャクしている感じが出ていて。初演の記憶が蘇ってきて懐かしくなり、思わず泣きそうになりました。
陳内:個人的な感想で言うと、瑠璃川 幸を見て「夏組の助演男優賞だよ」と思いました。見終わってすぐ湧に「“エームビ”よかったし、湧がめちゃくちゃよかったよ!」とLINEを送りましたもん。(モノマネしながら)「陳さんのおかげッス!」と返事が来ました(笑)。幸をはじめとした夏組のメンバーが、すごく天馬を支えてくれていたんだなと、映像を通して改めて実感しましたね。
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