岡田将生が明かす、“愛される”キャラクターの作り方「僕がまずその役を愛さないと自分の心が動かない」

2021/12/09 07:05 配信

映画 インタビュー

「韓国を選んだ理由が“あの場所”に行ってわかった気がした」

岡田将生撮影=三橋優美子/スタイリスト=大石裕介/ヘア&メーク=小林麗子/衣装協力=Scye/サイ

――撮影の時点ですでにその不気味さや不思議な空気みたいなものは感じていたのでしょうか?

聖地X」と呼ばれる和食居酒屋・シマがあるあの土地は、「よくここを見つけたな」と思うくらい、どこか物々しい雰囲気がありました。日本でも似たような場所は探せばあると思うんですけど、これは韓国でしか味わえない空気感だなと。僕が韓国映画を好きだというのもあると思うんですけど、何かちょっとあそこだけ異質なんですよね。井戸があるのもあっていろいろと想像させる場所で、すごく面白い土地でした。韓国映画ってそういう何とも言えない空気感をまとっている映画が多い気がするんですよね。だから、入江さんがこの映画を撮影するにあたって、韓国を選んだ理由が、あの場所に行ってわかった気がしました。

――韓国映画と言えば、劇中で「犯罪都市」(2017年)を見ているシーンもありましたよね。岡田さんが好きな韓国映画は?

僕は「チェイサー」(2008年)がめちゃめちゃ好きで。残酷な話なんですけど、韓国映画に流れているあの雰囲気が、やっぱり好きなんです。だから、韓国のスタッフの方々と韓国映画についての話をするのもすごく楽しくて。「あのチームにいたんだよ!」「すごい!! どんな感じだったの?」っていう感じで盛り上がりました。一カ月間も韓国でロケをさせていただけたあの環境は、本当に贅沢で、入江組にすごく感謝しています。

――本作は、日韓融合チームでオール韓国ロケとのことですが、邦画撮影時との違いは感じましたか?

一番ビックリしたのは、みんなで同じ時間に同じ温かいご飯を食べるということです。韓国の方に「日本は違うの?」と聞かれて、「違う! こんな温かいものは中々食べられない」って答えたら驚かれました(笑)。韓国の現場だと、まず食が大切みたいで、日本人の口に合うように辛さとかも調節してくれて。みんなで同じご飯を食べて、「よし! 頑張ろう!」と気持ちを一つにさせてくれるあの体制は、すごくすてきだなと思いました。

あと一度、インチョンフィルムコミッションから差し入れをいただいて、より一層士気が高まりましたね。撮影班をはじめ、とにかくみんなが映画を愛しているんだなということが、すごく伝わってくる現場でした。

だから、僕は最初の1~2週間くらいは韓国のスタッフの方に全く認められていないような気が勝手にしていて(笑)。だんだん馴染んでいくことで、一俳優として見てくれる瞬間が増えた感じがしたのが、印象に残っています。みんなでご飯を食べているときに、韓国のスタッフの方に笑顔で「認めたよ」って言ってもらえて、「あぁよかった」と思ったんです(笑)。同時に、韓国に来た意味があったように感じました。そして、またいつか、韓国で撮影したいなという気持ちがより一層強くなりました。

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