映画「幕が下りたら会いましょう」(公開中)の公開記念舞台あいさつが12月4日に都内の劇場で行われ、出演者の松井玲奈、日高七海、江野沢愛美と前田聖来監督が登壇した。
同作品は、映画単独初主演となる松井と本作が初の商業映画となる新鋭監督の前田によるヒューマンドラマで、どこか歪んだ今の時代に不器用にも真っすぐに生きる女性の成長物語。松井は劇作家の卵の麻奈美、日高は劇団仲間の早苗、江野沢は麻奈美の妹・尚(筧美和子)の同僚のほのかをそれぞれ演じる。
舞台あいさつで、松井が親友役を演じた日高との思い出について「日高さんとの印象深いシーンはたくさんあるんですけど、その中でもなぜか印象深いところは食べ物が必ず付いてくるなと思って。劇中でブラックコーヒーをよく飲んでいたと思うんですけど、(撮影では)小道具さんがブラックコーヒーの缶を渡してくれるんです。でも、あれ実は微糖なんです(笑)。駐車場ところで二人でしゃべっているシーンとかも、ブラックコーヒーだと思って飲んだら微糖で『うわっ!』ってなりました」と告白。
前田監督が「あそこ、飲んだ後にちょっと(缶を)見ているんですよね(笑)」と暴露すると、松井は「テスト(リハーサル)では缶を開けずに飲むふりをしていて、本番で開けて飲んだら微糖だったから『どうしよう』って思って…」と苦笑いを浮かべていた。
一方、日高は「監督から『仲が良いからこそ、基本的には目を合わせないで』という演出があったのですが、松井さんと最後のシーンで初めて目が合って、その時の松井さんの目が潤んでいて、心がギュッとなったのを覚えてます」と振り返った。
実家の美容室を手伝いつつ、鳴かず飛ばずな劇団「劇団 50%」を主宰している麻奈美の元に、東京で働いていた尚が死亡したという知らせが入る。尚は、麻奈美が劇団員の結婚祝いで集まって馬鹿騒ぎをしていた夜に亡くなっていた。
葬儀の日、麻奈美は尚が腹違いの妹であることを知り、母・京子(しゅはまはるみ)とけんかになり、家を飛び出してしまう。
◆取材・文=原田健