草なぎ剛「2021年は色で言うとパッションほとばしる”赤”」1年を振り返る【連載コラム】

2021/12/15 00:00 配信

芸能一般 連載

「『やってたもの』をそぎ落としてシンプルになってるんだよね」

「漢字でいったら『変化』じゃないですか」撮影=諸永恒夫

 それは再演ということもあるのかもしれない。初演があって完成することもあるんだなと。もちろん初演もやり切って、これがウイだ!と思う瞬間はただただあったんだけど、そこにまた上乗せしての今がある。以前は「やってた」んだよ。でももう基盤があるから、それをやらなくてもウイに見える。例えば、2幕のダルフィート夫人(七瀬なつみ)とのくだりも、以前は彼女がしゃべってるときにおちゃらけたり変顔をしたり。分かりやすく言うと、映画「バットマン」のジョーカーみたいに、ジャック・ニコルソンが演じた悪いヤツがニッとするみたいなニュアンスで芝居してたのね。それはそれで楽しくて、自分の中でウイを形成するときに必要だったんだけど、今は普通に話を聞いているだけで冷酷さが満たされていく。そういう「やってた」ものをそぎ落としてシンプルになってるんだよね。それは初演があってこそで、どんどんそぎ落とされて研ぎ澄まされていくことで、ウイがよりピュアに悪になっていく気がしてる。
 クリスマスは京都で舞台です。ウイの赤はクリスマスの赤。特別、出かけたりしなくても、劇場にいるだけでパーティー。そんな気持ちで暴れまくろうと思います

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