「クリエイターズ・ファイル」#79 著名人が愛した社交場「ドイド」伝説のママ・矢崎すず子

85歳にして今もなお店に立ち続ける「ドイド」伝説のママ・矢崎すず子(85) 撮影=高橋宗正/(C)クリエイターズ・ファイル

ロバート秋山竜次扮(ふん)する最先端のクリエイターにインタビューする「クリエイターズ・ファイル」。今回は、50年以上愛され続けるナイトプレイス「ドイド」のママ、矢崎すず子(85)。数々の著名人を虜にし、今もなお毎日お店に立ち続ける伝説のママにお話を伺った。

お客さまが年収300円だろうが1億円だろうが、うちは何も変わんない


──85歳になられたと伺いました。おめでとうございます。今もお店に出られているのですか?

年齢なんてのは何だっていいんだよ。80だろうが90だろうがやること変わらないんだよ。ありがたいことに健康でいられているわけだから、そりゃ働かせてもらわないと。こんなクソババでも会いたいっていうお客さんがいるってんだから、調子悪くても、這ってでも、ドイドには顔出すんだよ。60年以上、雨でも風でも喜美之を産んだとき以外は店開けてるんだもん。本当だよ。

──著名人が愛した「ドイド」はどんなお店ですか?

どんなって、見ての通りだよ。来たい人間が来て、飲みたい人間がお酒を飲むところだよ。そりゃもう、政治家から芸能人からたくさん来たよ。でもね、ここに来ればみんなおんなじ。お客さまが年収300円だろうが1億円だろうが、うちは何も変わんない。著名人でも釣り名人でも扱いは一緒。銀座の高級クラブだったら、そうはいかないかもしれないけどね。ドイドはそういうお店。名刺を出して威圧するようなお客さまがいたら追い返してたよ(笑)。そんなもん、銀座で配ってこいって。

昭和40年頃の「ドイド」の店内の様子(右から2人目がすず子)。彼女に魅了される人々は時代に関係なくここへ集まる 撮影=高橋宗正/(C)クリエイターズ・ファイル

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