“怪演”話題の桜井ユキ、環境の変化を経てデビュー10周年「“求められること”をやっていきたい」<Interview>

桜井ユキがインタビューに応じた 撮影:ブルータス海田

「真犯人フラグ」に大反響『夢に出そう』


――出演中のドラマ「真犯人フラグ」はかなりの反響がありそうですね。

皆さんからいろんな感想を頂いています。「怖い」「夢に出そう」「気持ち悪い」…そんなのがいっぱい(笑)。ネガティブなワードですけど、褒め言葉だと思って受け止めています。

――逆にドラマ視聴者の反応を楽しんでいるという感じですか?

そうですね。奇抜なキャラクターというより、どこか違和感はあるけど「こういう人いそうだよね」というギリギリのラインを攻めたいなと思って演じさせていただいています。でも、(台本に)書かれていることが結構突飛な内容なので、どう日常に溶け込ませるかというのを毎回考えています。ただの変な人にはしたくないなって。

ちょっと気持ち悪くて、奇妙というラインを目指したので、皆さんに「気持ち悪い」と言っていただけるなら大成功。現場は割と爆笑の中で撮影しています(笑)。スタッフさんが笑ったらOKというテンションですね。

――写真集のお話を受けた2020年は節目の年だったとのことですが、どういった意味の節目でしたか?

まず事務所が変わったことが大きかったです。事務所云々というより“自分の方向性”を変えてみるという決断が大きかったですし、年齢的なこともあって、プライベートも含めて考え方がすごく変わった年でした。

――その節目の年を迎え、2021年もドラマやCMに多数ご出演されていますが、役者としての手応えというものは感じていますか?

手応えというより、去年からは役柄も少しずつ変わってきましたね。今までは、どちらかといえば人間的にトーンが暗い役が多かったんですけど、今は内に闇を抱えている役とか。そういう意味では、表情豊かな役をやらせていただくことが増えたなと感じます。

これから「桜井ユキといえば、こういう感じだよね?」という先入観をどんどん壊していきたいなというのもありつつ、あまり固定したイメージを持たれないようにしたいなと。これからは演じたことのない役柄もそうですし、お仕事の幅という意味でも、もっといろいろなことにチャレンジしていきたいです。

基本的には“求められること”をやっていきたい。あまり自分の中で固めて「こうしよう!ああしよう!」ではなく、流れに身を任せながらやっていけたらいいなと思っています。


◆聞き手=月山武桜